超写実絵画の襲来 ホキ美術館所蔵 | Bunkamura

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 トケにあるホキ美術館。素晴らしいところなだが、なにせ遠いのよ。それでも何度も足を運んだものだ。それがナウなヤングの街渋谷で見れるっていうじゃない! 自粛要請もなんのその、久々にやってきたぜ全力東急。(訪問日3/23)

*ご承知の通りここも現在絶賛休館中です。小池さんの自粛要請や緊急事態宣言の出る間際に行って参りました。空いてる美術館での感染リスクは低いっつーに。訪問後二週間以上経ったけどピンピンしてるぞ。


 あにはからんや、おなじみの名作の他にも、これまで現地でも見たことない作品が意外に多くてやっぱり来てよかった。ガラ空きだったし。でもリアルなヌードがほとんどなかったな。場所柄?


生島浩 《5:55》 2007~2010年
 やっぱこれでしょう。キャプションによると「モデルさんのエピソードがひとり歩きした名作」とか書かれてる。やべ、オラのせい? で、でもあれ学芸員さんがツアーガイドでお話してくれたことだから広めたのは私だけとは限るまい…。
 その他に画家の話として「(消えゆくものの象徴として静物画に使われる)時計や蝋燭はそんな意識なく描いた」なんてのも載っていた。日本人の描く静物画はヴァニタスを感じないなと思っていたのがやはり裏付けられたな。 いいとか悪いとかの話ではないのだが。

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小尾修 《昨日の雨》 2008年
 多分この絵は初めて見たと思う。ロケーションはおなじみのご自宅なのだろう。窓から見える水溜りは隣に展示された作品に続いている。
 これは「画家とモデル」系の作品だが、この距離とアングルは意外にこれまでなかった気がする。モデルのすぐ側にイーゼルを置き、立ち上がった目線から斜め45°(?)くらいの俯瞰アングル(実際にそのように描かれたかは知らない。勝手な想像ですよ)。


 若い画家さんの作品も多いな。オープン参加をかなり促してるのかな。過去にホキ美術館の大賞取ったももクロみたいな女性の肖像画のひとはそれまでちゃんと絵を習ったこともなかったとか!

鶴 友那 《ながれとどまりうずまききえる》 2016年
 この人の作品もたぶん見たことなかった。水の表現がすごい。川の流れに身を任せるうら若き美女といえば誰しも「オフィーリアの死」を連想するけど、これは人よりも水を描きたかったようだ。オフィーリアは土左衛門だったが、この絵の女性は水との一体化を楽しんでいる。標題からすると万物流転も意識にあるのか。「第2回ホキ美術館大賞展」 大賞受賞だそうだ。


 一枚撮影可能作品があった。

小木曽 誠 《森へ還る》 2017年
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 ところで会場には、よくある質問「(こんな手間ひま掛けずに)写真に撮ればいいじゃん?」の答えとして写真と絵画の違いをあれこれ並べていた。しかしやはり考えざるを得ない。違いってなんだろ? 絵は画家の意思が入り、写真はあるがままの現実?
 写真にハプニング的要素が強いのは否定しないが、必ずしも偶然に頼るものばかりでもない。露出やアングル、いや何十枚も撮影してその中から選び出す作業をしている段階で撮影者の恣意性がかなり入っている。
 絵画には嘘がある。でも写真にもある。つまるところ用いるのが絵筆か光学機械かの違いかも?

 写真機能の登場が画家の意識を劇的に変えた。見たものをそのまま再現するよりも画家の心象を表す抽象絵画へ向かうきっかけにもなった。そのせいで写実絵画の価値がやや低く評価されてきた過去もあるという。
 21世紀の今、抽象画は以前ほどの勢いは感じられない。だが写真の価値もまた下がっている。誰でも安価にかつ簡単にそこそこの作品が撮れてしまうテクノロジーの進化は、絵にまつわる世の中をまたひとつ大きく変えた。
 ある種の写真作品では、撮影者の意図や工夫以上に「こんなことが起きたんだ!」という邂逅に価値がある。こうしたハプニング作品は、アングルや露出や色調など調整する腕よりもシャッターチャンスに遭遇するかどうかがカギだ。その点、素人カメラマンは数の上で職業写真家よりも圧倒的な優位に立つ。しかも多くの素人傑作写真はSNSでタダで見れる。勝てるわけがない。
 プロの写真家の位置づけが微妙になってきている今、写真の価値が下がった分、また一周回って絵画の位置付けが変わってきているかも知れない。

 ただ、ピカソ曰く「子供の絵がいちばんうまい」。彼が有史以前からあるアフリカ伝統芸術に傾倒したのも同じことだ。これはハプニング系だな。芸術に計算は要らないのかな。ということでまた振り出しに戻る…。


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👻コロナ絡み👻
 緊急事態宣言前ではあったが美術館の監視員さんは全員マスクだし、出口では扉の持ち手を触らないでいいように開けてくれたり、大した気の使いようだ。ロッカー使用禁止にしてたみたいだけどあれはなんか意味あるのかな。大混雑する有名画家の企画展でもない限り、美術館なんて人と人との距離は離れているし唾飛ばしてしゃべったりしないからリスクはもともと低いはずなんだけどな。

 帰りに久々に明大前のラーメン屋「一風堂」寄ったら、お客さんを間を開けて座らせたり手先のアルコール消毒をしてもらったり(店員さんが席まで寄ってきてシュッとしてくれた)色々大変だな。これでお昼のラッシュがしのげるんだから客足も相当鈍ってるんだろうね(今日現在閉店中みたいだ…)。いやはやいつまで続くのか。


お家で食べようか🍜
一風堂 赤丸 コクと深みのとんこつラーメン1食 豚骨 博多 おうちでIPPUDO - 八ヶ岳蕎麦香房
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