テーマ:ミステリー

『カーテン』(アガサ・クリスティー)

 Catalyst=触媒というものがある。それ自身は変化しないのに周りに化学反応を起こす。複数の男女が同居する宿に、ひとりの人物がそこに加わることで住人たちに心理的な変化が次々と起きていく。『カーテン』の構成は人の心理を化学反応になぞらえたゲーテの『親和力』と同じだ。シェークスピアや聖書の引用も多くされていることから古典になぞらえる意図…
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オール・ユー・ニード・イズ・吉良~死に戻りの忠臣蔵~(左高例)

 トム・クルーズ主演の「オールユーニードイズキル」は見た。これはそのパロディー小説(生まれ変わったら○○だったみたいなタイトルをよく見かけるので題名だけかも)でネットの小説投稿サイトで話題になったものに加筆してキンドルアンリミテッドにて出版された経緯らしい。  この話は基本忠臣蔵のパロディーである。実を言えば私は(映画やドラマにし…
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映画「オリエント急行殺人事件」(ケネス・ブラナー監督)

 いつも書くが私の初クリスティ体験だけあってあの映画は思い出深い作品。なにも知らずに見た私はその結末にとても驚いた。なんとその名作を43年ぶりにリメイクするという。早くから注目していた。  俳優の名前をちっとも覚えない私。主役兼監督のケネス・ブラナーさんってなにものかなとググったら、ハリポタのギルデロイ・ロックハート先生だったのか…
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『ナイル殺人事件』(アガサ・クリスティー)

 AmazonEnglishで半年かけてようやく原書を読み(聴き)終わったよ。参考になるかと思い映画も借りて見てみた。英語なのでなかなか読み終えられなくて、映画で内容を知ってからようやく読了できた。 Blu-rayの方が安いのね。  映画は一度見た気もするのだがすっかり忘れていた。しかし例によって途中でまた「犯人…
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オリエント急行殺人事件(三谷幸喜脚本TVドラマ)

 ミステリーの女王の代表作。それを元にした映画も一級品である。これをフジテレビと三谷幸喜がどう料理するか楽しみであった。  実際見てみるとクリスティの原作小説というよりもシドニー・ルメット監督の映画をかなり意識した作りになっていた印象。ただ、その印象は私が小説の方を(英語も含めて2回は読んでると思うのだけど…)かなり忘れているせい…
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DVD「大誘拐 RAINBOW KIDS」

 小説を読み終わり、早速DVD借りてきたw。まずはあまりにキャストがイメージ通り! 名優たちの名演揃いである。主演の緒形拳さん北林谷栄さんはじめ、すでに鬼籍に入られてる方も多いのは感慨深い。  くうちゃんは樹木希林、この人しかないだろう。誘拐犯の「虹の童子たち」と潜伏地を求めて辿り着いた刀自に夜中呼ばれ、家からドーン!と飛び出して…
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『大誘拐』(天藤 真)

*若干内容に触れています。未読の方はご注意ください。  関西人はほら話が好きだ。んなあほな、そないなことあるかい、なんちゃってなあ…会話の端々にそんなつっこみが入る。終始関西弁でやりとりされるこのユーモアミステリー小説を、発想、人物造形、話の展開から結末まで、つくづく関西のアホ話やなあと思いながら読んでいた。  なにがきっか…
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『戻り川心中』(連城 三紀彦)

 亡くなったのをきっかけに読み始めるのもいい加減やめたほうがいいとは言うものの、追いかけ切れないほどの作家がこの世にいる限りそうなることもむべなるかな。連城三紀彦氏の傑作短編。  たしか、話題になった『白光』は当時読んだはず。ほっとんど覚えていないが、この短篇集を読み始めて、この作家独特の感覚はすぐ戻ってきた。美しい文体描写にドロ…
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パブ シャーロックホームズ

 八王子にあるこの店の存在を知ったのはもう十年近く前なんだけど、ようやく訪問なったシャーロックホームズパブ。横山大観展の後に八王子の美術館に行く前にふと思い出して立ち寄った。この機会を逃してはもう一生行かないだろうと大げさだよ。  ロンドンに行ったことがないから「オー!ロンドンのパブそっくりだー!」とかはさっぱりわからん。…
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『謎(リドル)の謎(ミステリ)その他の謎(リドル)』(山口雅也)

 *内容に触れています。未読の方はご注意下さい。  謎解きをせず、結末を読者に預ける趣向のリドルストーリーは、『贈る物語』で読んだデ・ラ・メアの短編「なぞ」が大傑作だった。だいぶ前に『奇偶』が面白かった山口雅也さんの新作がたまたま書評で紹介されていて、これがリドルストーリーを集めた短篇集らしい。そして奇偶にも図書館で新入荷して…
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(新訳)『ローマ帽子の謎』(エラリー・クイーン)

*例によって直接ではありませんが、内容に触れてます。未読の方はご注意下さい。  新訳が出て長らく読んでみたかったエラリー・クイーンのデビュー作。クイーンって私はそれほど読んでないのでこれ読むの初めてかも。クイーン父子初登場の巻なので、彼らのバックボーンも語られる(ところで引退後の姿から物語をはじめるスタイルは当時の作家の常套手…
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『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』(スティーグ・ラーソン)

 今の若い方々はご存じないかもしれないが、一昔前、おじさんたちの時代は北欧といえば北欧直輸入ポ○ノ(?)。最近は日本も十分刺激的なネタが増えてきたから今更海外にそういったのを求める需要もなくなってしまったって何の話だよ。  言わずと知れた映画化(リメイクだったのか)もされたスウェーデン発のベストセラー(2005年刊)。何がすごいっ…
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『白紙委任状』(ジェフリー・ディーヴァー)

 ご本人の Twitter で知ったディーヴァーによる007次回映画用原作発表のお知らせ。他人が書いた有名作品の続編を後世の作家が書くことはそう珍しいことではない。オーソドックスなのは作者の急死で未完に終わった作品を誰かが完成させるもの。パスティーシュなら変化球。特に文体などを模倣してちょっと原作とずれた作品に仕立てるワザ。加えてパロデ…
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『楽園のカンヴァス』(原田 マハ)

*直接的ではありませんが、内容に触れています。未読の方はご注意下さい。  作者は美術キュレーターの仕事をしていたという事で、その経験を生かした美術ミステリー。部外者が窺い知れない美術界の内幕など楽しめる。もちろんそれだけでなく、ストーリー的にも工夫が凝らされている。すぐに気付くのは、物語の枠組みがあちこちで多重構造になっている。ま…
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"The Devotion of Suspect X" (Keigo Higashino)

 『容疑者Xの献身』の英訳版である。一度読んだことのある日本のミステリーをわざわざ英語で読むこともないだろう。仰るとおり。でも思うところがいろいろあったのだ。まず英語の本からちょっと遠ざかってしまい、英語を読む能力が落ちているので、リハビリとして文章も簡単で内容もわかっている推理小説なら読みきれるだろうと考えたから。  英訳された…
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『春から夏、やがて冬』(歌野 晶午)

 世間の評判では、帯が煽りすぎとのことだった。図書館で借りたので私はそれは見ずに読んだが、正直『葉桜の季節に君を想うということ』での衝撃を求めて歌野晶午の作品を毎回手に取っている。しかし読了後、この作品はヘタに小細工したミステリーにしない方がよかったのではと感じた。  出だしは実に丁寧に語られた傑作の予感だった。伏せられた過去の謎…
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『もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら』(工藤 美代子)

 「もしオバ」(笑)。(恐らく編集者が決めたものだと思うけど)今年最高のキャッチーなタイトルではないか。パクリだけど。怪談話は、いかにこれは本当にあった話だよ、と思わせるのが要諦。その意味で真実を追求するノンフィクションとお化けの組み合わせは絶妙である。その効果もあり(?)今日現在 Amazon では品切れ中、図書館でも多数リクエスト待…
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『ダイナー』(平山 夢明)

 大相撲の八百長問題、ケータイを使ったカンニング、ヤラセ(?)文学賞…考えてみれば震災前はほんとお気楽な話題で盛り上がっていたものだ。その何かとお騒がせなポプラ社から出た作品で、大藪春彦賞を取ったらしい(特に物議はかもしていないと思う)。短編「托卵」で衝撃を受け、個人的に注目している日本人作家の一人平山夢明。ストーリー構成力・独創的トリ…
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『掏摸』(中村 文則)

 若手芥川賞作家の話題作。ハードボイルドのようなピカレスクもののような。ハードボイルドなら藤原伊織さんの方がせつなさを覚える。ピカレスクなら舞城王太郎の方が大物感があるような。悪を描く割には主人公にそれほど魅力がないというかアクがない。DV親子を気に掛けるなんてちょっと安直じゃないか。その分木崎のキャラなんだろうけど、その「悪の秘密組織…
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"Five little pigs" (Agatha Chrinstie)

*例によって直接的ではありませんが、内容にかなり触れています。未読の方はご注意下さい。  1942年刊行。『五匹の子豚』と訳されるアガサ・クリスティ52歳の作品。この作品あたりからクリスティは後期の作品に顕著な、過ぎ去った「過去」の事件を扱うようになる。それは何を意味するのか。ファンの間では長らく議論になっていること(知らない…
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「アガサ・クリスティー展」~ミステリーの女王 その軌跡~(相田みつを美術館)

 普段は買わないミステリマガジン誌。この4月号を思わず購入したのは言わずと知れたクリスティー特集のせい。なにかと影響されやすい私。編纂者が激賞していた "Five little pigs" は今キンドルで読書中だし、中で告知されていた「クリスティー展」、早速行って参りました。  相田みつを美術館は先日シ…
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"UR" (Stephen King)

 Amazon キンドル拡販のためキング大先生がちゃちゃっと書いたサービス精神満載の怪作(?)。なんとキンドルでしか読む事ができない。趣旨を考えるとずっとこうなのだろうか(オーディオブックはあるみたい)。しかもこれまで英語版もアジア・パシフィック地域ではDLが許されておらず、つい先日やっと解禁された。もし翻訳されるとしたらキンド…
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『ロウフィールド館の惨劇』(ルース・レンデル)

 名前は知っていたのになぜか今の今まで読まなかった名作(そんなのいっぱいあるか)。のっけから事件の核心が述べられるので伏せないが、この物語は文盲中年女性の巻き起こした惨劇である。感情を一切抑え、客観的な新聞記事か冷徹な事件レポートの様な形で語られる。いわゆるかわいそうな人の話なのに、作者の語りに同情の気持ちはまったく見つけられない。 …
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『スリーピング・ドール』(ジェフリー・ディーヴァー)

 世紀の傑作『ウォッチメイカー』で忘れがたい活躍をしたキャサリン・ダンス主演作品第一号。キネシクスという尋問手法を操る彼女の前では誰もウソを突き通すことは出来ない。一昔前の刑事ドラマみたいな人情(カツ丼とか田舎のお袋さんとか)ではなく、科学であるところがまたツボだ。その点で私の意見はライムと同じ。 *例によって、ちょっと内容に触れ…
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『クロイドン発12時30分』(F・W・クロフツ)

 ミステリーには「倒叙推理」というジャンルがある。英語では"inverted detective story" あるいは "howcatchem"(How catch him:いかにして彼を捉えるか、だと思うのだけど)と呼ばれるらしい。「本格派」"Who done it?"(誰がやったか?)とは逆に冒頭から犯人が読者の前に現れ、殺人計画…
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『エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ』(深水 黎一郎)

 爬虫類とは、脊椎を持った変温動物であるとか大ざっぱにその定義があるだけで、実は鳥類にも哺乳類にも分類できない動物を便宜上括った「その他」でしかない、と誰かに聞いた覚えがある。エコール・ド・パリと呼ばれる芸術活動も、20世紀初頭の同時期にパリの一つ宿を中心にして都会的な作風(これも大ざっぱ!)を持った不世出の画家たちの総称、という他に特…
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『怪人二十面相・伝』(北村 想)

 (原作からはかなり外れた脚本らしいが)映画化もされ昨年話題となった長編小説。探偵明智小五郎ではなく、悪役の怪人二十面相を主人公に据えた江戸川乱歩へのオマージュ作品。『青銅の魔人』など往年の名作をなぞってオリジナルストーリーの舞台裏を生き生きと再現している。しかしながら、私は昔からミステリー好きではあったが、主にアガサ・クリスティに傾倒…
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泡坂妻夫氏

 数日間、カンヅメで研修をしていたため、先日の節分の日に亡くなっていたとは全く知らなかった。直前に『亜愛一郎の狼狽』をアフィリで紹介していたのは虫の知らせだったんだろうか。ご自身がマジシャンであることもあるのだろう、アクロバチックで奇想天外なトリックという賞賛の言葉がこれほど似つかわしい人を私は他に知らない。それでいて自己満足的な稚技に…
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『オリエント急行殺人事件 [英語版ルビ訳付] 』(アガサ・クリスティ)

 *例によってそのものズバリではないけれど、内容に触れているので、未読の方はご注意下さい。  クリスティとの最初の出会いは、実は映画だ。たぶん中学生の頃テレビで観た「オリエント急行殺人事件」。今でこそ使い古されてしまった「大トリック」だが、ウブな私はすっかり参ってしまったのを覚えている。その後大人になってからまたテレビで見…
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『ウォッチメイカー』(ジェフリー・ディーヴァー)

 ディーヴァーについてこのブログに書き込むのはどうも初めてのようだ。前回『魔術師(イリュージョニスト)』を読んでいるはずなのだが、ブログを書き出す前のことだった。そんなにライム達とご無沙汰だったか。『魔術師』は、とにかく楽しかったけど、ちょっと異常作品だった。どんでん返しに次ぐどんでん返しがあまりに続くので読了してほとほと疲れ果てた。あ…
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