朝井まかて×ペリー荻野 浮世絵バカ二代、北斎と応為の父娘に学ぶ、お金よりも「好き」を貫く人生
葛飾応為を描いた小説、『眩』は「まばゆい」と読むのかと思ってたら「くらら」と読むのか。クララと聞くとワタシ的には「タンが絡んだら~♪」のお薬なのだが。(もうこの名前では売ってないのね)
これもあるか
本題に入る。la kagu ラカグ。新潮社の倉庫を居抜きして(?)、おしゃれで知的な商業施設に変身させた。噂には聞いていたが来るのは初めて。ってか、ほとんどやっぱり倉庫だね。
桜が咲いていた。
惹句にある「北斎に娘がいたことをご存知ですか?!」 確かに葛飾応為の知名度はそれほど高くないかもしれない。だが実は葛飾応為はすでに数多くの作品で取り上げられている。もっとも知られているのは杉浦日向子さんの「百日紅」かな。映画化もされたし。
だいぶ古い映画だがかの奇作「北斎漫画」でも田中裕子が大熱演している。
更には海外でも! キャサリン・ゴヴィエさんというカナダの作家らしい。
The Printmaker's Daughter
これは翻訳も出ている。
(なんかまかてさんの商売の邪魔してるかも…汗)
…さ、さて応為ファンとして私も気になっていたその『眩』の著者である朝井まかてさん(この方の作品はまったく読んだことはないのだが)のトークショーが la kagu であるということで申し込んでみた(3/29に行われた)。開催一週間前を過ぎてからもチケットは取れたし、当日券もあるとの告知なので閑散としていたらやだなと思っていたが、まずまず満席であった。五十人程度かな。
朝井さんも最初葛飾応為のことは杉浦日向子さんの「百日紅」で知ったらしい。(たまたま編集さんに誘われたんだったかな?)二年前太田記念美術館で開催された「葛飾応為「吉原格子先之図」-光と影の美」で彼女の作品に感動して葛飾応為をテーマに小説書こうと決意したと。その企画展おいらも行ったぞ。まかてさんとニアミスしてたりして。
「吉原格子先之図」は時代小説を書いてきた著者にして、「それまで(小説の時代考証として)見てきた浮世絵と全く違う!」と驚愕させた。浅井さんは絵の専門家ではないが、時代小説を中心に書かれているため、時代考証用に古地図や当時の浮世絵の知識はかなり頭に入ってるそうだ。
私はもともと西洋絵画の方に馴染みのある方だから普通に接した気もする。指摘されてみれば確かに光と闇を大胆に対比させた構図はその当時の江戸の絵画文法から大きく逸脱している。「江戸のレンブラント」のキャッチフレーズはちょっと陳腐だと思うがw
その後はペリー荻野さん(実質的に今回のインタビュアーの方)との放談っぽくなって行った。最後の方に出てきた「新潮社の校正さんはもんのすごく細かくチェックしてくる」というのは聞いたことがあるな。細かいだけでなく、その根拠になるリサーチ、検証力がスゴイと。
浅井さんの作品をひとつでも読んでいればもっとのめり込んで聞けたのかもしれないが、これは『眩』も読んでみなければいけないなと思った(新潮社の思う壺)。しかし私は電書でないと本が読めない人になってしまったので、Kindle化を以来待ちわびているのだが、未だにならないので未読である。朝井まかてさんの他の著作ではKindle版も珍しくないので、その内なるのだろう。首を長くしてお待ちしております。
あれ? お金よりも「好き」を貫く人生 の話はあったのか??w
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ところでこの日最も「来てよかった」と思ったのは、新潮社のTwitterで予告されていた江戸期の(?)古雑誌閲覧であった。
【当日券あり】今夜19時~神楽坂ラカグにて朝井まかて『眩』刊行記念トーク。
— 新潮社出版部文芸 (@Shincho_Bungei) 2016年3月29日
実はきのう担当編集者の家から大量の江戸の戯作が発見されまして…作中に登場する為永春水、柳亭種彦の本を今日のお客様にお手にとってご覧いただこうと思っています。 pic.twitter.com/G2Lygjmltp
まかてさんから「昔の浮世絵の雑誌って、(陰)毛の一本一本まで克明に表現されていて当時の(エロ)印刷技術の凄さが…」の紹介通りものすごい解像度だった(残念ながら春画ではなかったが)。
これまで浮世絵を見る機会はもちろん数え切れないくらいあったが、実際手に取って眺めるのはまったく初めて。この冊子、百年くらいは経ってると思うけどまだ頁は破れてない。ほんと和紙は強いね。上質和紙に木版で丁寧に刷り込んだんだろう。スクリーントーンっぽい表現もあったが、重ね刷りなんだろうか? とにかく江戸のエロに掛けるカネと情熱はものすごいものがある(だからエロじゃないっちゅうに)とまた確信した。




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