ウフィツィ美術館自画像コレクション-巨匠たちの「秘めた素顔」(損保ジャパン東郷青児美術館)
自画像とはどんな意図で描かれるものなのか。私など鏡を見るのさえ極力避ける傾向にある。あまりの美しさに自分に惚れてしまうためだ。まして絵などに描いてしまったらそこから一生離れられなくなって水仙になってしまうじゃないか。お前にそんな美貌もなければだいたい画家でもないじゃないかというツッコミはなしだ。
冗談はさておき、ウフィツィ美術館は例の「ユディト」があるだけでなく、私が国立博物館で観てきたダ・ヴィンチの「受胎告知」も所有するルネサンス美術の総本山である(全然認識なかったよ)。と同時に画家の自画像コレクションなんてのも有名らしい。そうした作品は自分とこでかき集めるのが無論基本だが、由緒ある美術館だけに自分から持ち込みありーの、頼んでないのにいつの間にか置かれていたみたいな作品もあるとかないとか(笑)。あまり興味なかったがあちこちで話題になっているため滑り込みで寄ってきた。
訪問がぎりぎりになったのは(先週ですでに終了してしまったスマン)張り出されたポスターでもあまり食指が動く作品が見当たらなかったから。でも行ってみればそれは世界有数のコレクションの数々、期待以上に愉しめた。あ、この人知ってる!みたいな作品が目白押し。レンブラント、キリコ、ベックリン(あの「死の島」の作者)、ジェームズ・アンソール(『怖い絵3』に出てきた、 "不気味な仮面に囲まれた自画像" 描いた人)、そして大御所アングル大先生(御歳78歳!でも若作りしてないかい?)。
全然知らない人だけどこれは!?と思ったのが、マリアノ・フォルトゥーニ・イ・マルサル。1852年に製作されたエコール・ド・パリみたいな雰囲気のセルフポートレート。なんと14歳の時の作品らしいがこのセンスは抜群だと思った。ググったら36歳で夭折され、日本では長崎美術館に多く作品が集められてるようだ。
マリー=ルイーズ=エリザベート・ヴィジェ=ル・ブラン
《マリー・アントワネットの肖像を描くヴィジェ=ル・ブラン》 1790年
ひとつ見つけた「怖い絵」(?)。ポスターで一番目立っていた綺麗な女流画家の自画像。マリー・アントワネットのお抱えだったらしい。この時代画家なんてそれなりに尊敬は集めていただろうが実質単なる使用人と変りなかっただろう。それが自分の姿をそれも超美形に描くなんて許されたんだろうか?
しかもキャンバスにいっしょに描いている絵はお仕えしていたアントワネットお姫様。主人の顔はちらっとしか見せず完全に自分が主役である。まあ個人の楽しみでこっそり描いたのかも知れないけど、ご承知の通りフランス革命でアントワネット姫は囚われの身に、後にギロチンにかけられる。画家のマリーさんはドサクサにまぎれてとっとと逃げおおせ、他国の貴族お抱え宮廷画家として余生を過ごしたそうだ。しかしこの絵が描かれた1790年はフランス革命直後の年である。自分の主人の一大事のすぐ後、こんな自己中の絵を描けるもんだろうか。いやオンナは怖い…w。(ってな解釈でいいのかしら??)
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そもそも損保ジャパン東郷青児美術館にも実はあまり良い印象を持っていなかった。詳しくは知らないが、例の安田火災ゴッホ「ひまわり」53億円落札なんてのを聞いてた日にゃ、ゲージツをマネーゲームにしやがって、と足が遠ざかるのも無理からぬこと。
まあ絵に罪はない。企画展の最後、特別あつらいの個室にセザンヌ、ゴーギャン、ゴッホが仲良く並んでいるのはさすがに壮観だ。どれも彼らの最高傑作という訳ではないけれど。セザンヌの林檎の塗り、ゴーギャンのタヒチ(彼の絵で人がいないのは珍しいかも)、そしてゴッホの生命力に溢れたおどろおどろしいひまわり。ほとんどの人は値段に圧倒されるんだろうけど、そんなこと抜きにして静かにこの三枚の絵といつまでも対峙していたくなる。
冗談はさておき、ウフィツィ美術館は例の「ユディト」があるだけでなく、私が国立博物館で観てきたダ・ヴィンチの「受胎告知」も所有するルネサンス美術の総本山である(全然認識なかったよ)。と同時に画家の自画像コレクションなんてのも有名らしい。そうした作品は自分とこでかき集めるのが無論基本だが、由緒ある美術館だけに自分から持ち込みありーの、頼んでないのにいつの間にか置かれていたみたいな作品もあるとかないとか(笑)。あまり興味なかったがあちこちで話題になっているため滑り込みで寄ってきた。
訪問がぎりぎりになったのは(先週ですでに終了してしまったスマン)張り出されたポスターでもあまり食指が動く作品が見当たらなかったから。でも行ってみればそれは世界有数のコレクションの数々、期待以上に愉しめた。あ、この人知ってる!みたいな作品が目白押し。レンブラント、キリコ、ベックリン(あの「死の島」の作者)、ジェームズ・アンソール(『怖い絵3』に出てきた、 "不気味な仮面に囲まれた自画像" 描いた人)、そして大御所アングル大先生(御歳78歳!でも若作りしてないかい?)。
全然知らない人だけどこれは!?と思ったのが、マリアノ・フォルトゥーニ・イ・マルサル。1852年に製作されたエコール・ド・パリみたいな雰囲気のセルフポートレート。なんと14歳の時の作品らしいがこのセンスは抜群だと思った。ググったら36歳で夭折され、日本では長崎美術館に多く作品が集められてるようだ。
マリー=ルイーズ=エリザベート・ヴィジェ=ル・ブラン
《マリー・アントワネットの肖像を描くヴィジェ=ル・ブラン》 1790年
ひとつ見つけた「怖い絵」(?)。ポスターで一番目立っていた綺麗な女流画家の自画像。マリー・アントワネットのお抱えだったらしい。この時代画家なんてそれなりに尊敬は集めていただろうが実質単なる使用人と変りなかっただろう。それが自分の姿をそれも超美形に描くなんて許されたんだろうか?
しかもキャンバスにいっしょに描いている絵はお仕えしていたアントワネットお姫様。主人の顔はちらっとしか見せず完全に自分が主役である。まあ個人の楽しみでこっそり描いたのかも知れないけど、ご承知の通りフランス革命でアントワネット姫は囚われの身に、後にギロチンにかけられる。画家のマリーさんはドサクサにまぎれてとっとと逃げおおせ、他国の貴族お抱え宮廷画家として余生を過ごしたそうだ。しかしこの絵が描かれた1790年はフランス革命直後の年である。自分の主人の一大事のすぐ後、こんな自己中の絵を描けるもんだろうか。いやオンナは怖い…w。(ってな解釈でいいのかしら??)
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そもそも損保ジャパン東郷青児美術館にも実はあまり良い印象を持っていなかった。詳しくは知らないが、例の安田火災ゴッホ「ひまわり」53億円落札なんてのを聞いてた日にゃ、ゲージツをマネーゲームにしやがって、と足が遠ざかるのも無理からぬこと。
まあ絵に罪はない。企画展の最後、特別あつらいの個室にセザンヌ、ゴーギャン、ゴッホが仲良く並んでいるのはさすがに壮観だ。どれも彼らの最高傑作という訳ではないけれど。セザンヌの林檎の塗り、ゴーギャンのタヒチ(彼の絵で人がいないのは珍しいかも)、そしてゴッホの生命力に溢れたおどろおどろしいひまわり。ほとんどの人は値段に圧倒されるんだろうけど、そんなこと抜きにして静かにこの三枚の絵といつまでも対峙していたくなる。


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