『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』を(ちょっと)訳してみた
第一章だけですが。それに著作権があるだろうから、ここには投稿できないが。日本版が出る前に一部知人に配ったのです。今度は「6」を訳さなきゃ。
不慣れなこともあったとはいえ、予想以上に苦戦しました。ただ、色々辛い部分もあったにしてもそれを埋め合わすくらい、自分でハリポタを書いているような楽しい思いもさせてもらいました。『翻訳夜話』で村上春樹が、「翻訳作業は作者に憑依するようなもの」なんて言い方をしていましたが、実感できました。
意識して行ったのは、なるべく代名詞や無用の主語は使わないように、また英語的な使役表現は言い換えるなど。
いくつかかなり悩んだ文章をあげます。
1. Something had happened to the night.
ディメンターが現れてハリーの辺りが闇に包まれた時のこと。これは文法用語を使えばいわゆる(過去)完了形のS+V文章です(たぶん)。逐語訳すれば「その夜に何かが起きてしまった。」が最も妥当ではないかと思われます。英語でよく見られるの自動詞表現ですね。しかしこれでは日本語になりません。
あれこれ考えた末、こう訳しました。
「夜の様子が変わっていました。」
多分翻訳の先生からは怒られるでしょうね。意訳しすぎだと。「変わっていた」のなら作者はchangedを使うだろうから、やっぱり「起きた」をどうにかして使いなさいと。
でも日本版ハリポタ(松岡佑子訳)ではこうなっていました。
「何かが夜を変えた。」
おお、松岡さんも「変えた」を採用している。いいのかな。ただ主語は「something=何か」で、英語の構文のままですね。
2. DUDLEY, COME BACK! YOU'RE RUNNING RIGHT AT IT!
訳もわからずディメンターに飛び込んでいってしまったダドリーにハリーが叫んだセリフ。逐語訳なら「あなたはまさに正しくそれに走りつつある。」でしょうか。これも日本語では絶対に出てこない表現です。
これは悩んだ末、
「ダドリー、もどれ! そっちにいるんだぞ」
に落ち着けました。これもかなり超訳です。RUNNING、走っていることを完全に無視しています。せめて「そっちに走っちゃダメだ!」くらいにした方がよかったのでしょうか?
松岡訳では、
「ダドリー、戻るんだ。あいつのほうに向かって走ってるぞ!」
でした。う~ん、ちょっと不自然な日本語ですかね。
3. racing bikes
ダドリーの仲間達が乗っていたものは、原文では‘racing bikes’と書いてありました。松岡訳では「レース用自転車」となっていた。競輪選手が乗るようなドロップハンドルの自転車が思い浮かびます。しかし、高校生位の年代の子がそんなものを持っているか?
すぐに日本で言う「マウンテンバイク」のことだろうと推測したが、念のため確認しようと辞書を見てもよくわかりません。思いついてイギリスYahooで検索してみたら、確かに自転車のネットショップカタログで日本で言う「マウンテンバイク」の写真が‘racing bikes’としてズバリ出てきたので納得できました。便利な世の中であると同時に素人が簡単に調べが付いてしまうので、手抜きがすぐバレてしまう翻訳家の方も大変だろうな。
<告知>
この記事を見て私のハリポタ翻訳(5巻第一章のみ)にご興味を持たれた奇特な方に、もれなく原稿をお分けします。「メッセージ機能」(ウェブリブロガー限定ですが)でメールアドレスを送って下さい。テキスト原稿にて送付します。もちろん無料です(恐らく何の価値もありませんし)。
(思いつきで告知してみたけど、希望者なんかいるのかな…?)
Harry Potter and the Order of the Phoenix (US) (Paper) (5)
不慣れなこともあったとはいえ、予想以上に苦戦しました。ただ、色々辛い部分もあったにしてもそれを埋め合わすくらい、自分でハリポタを書いているような楽しい思いもさせてもらいました。『翻訳夜話』で村上春樹が、「翻訳作業は作者に憑依するようなもの」なんて言い方をしていましたが、実感できました。
意識して行ったのは、なるべく代名詞や無用の主語は使わないように、また英語的な使役表現は言い換えるなど。
いくつかかなり悩んだ文章をあげます。
1. Something had happened to the night.
ディメンターが現れてハリーの辺りが闇に包まれた時のこと。これは文法用語を使えばいわゆる(過去)完了形のS+V文章です(たぶん)。逐語訳すれば「その夜に何かが起きてしまった。」が最も妥当ではないかと思われます。英語でよく見られるの自動詞表現ですね。しかしこれでは日本語になりません。
あれこれ考えた末、こう訳しました。
「夜の様子が変わっていました。」
多分翻訳の先生からは怒られるでしょうね。意訳しすぎだと。「変わっていた」のなら作者はchangedを使うだろうから、やっぱり「起きた」をどうにかして使いなさいと。
でも日本版ハリポタ(松岡佑子訳)ではこうなっていました。
「何かが夜を変えた。」
おお、松岡さんも「変えた」を採用している。いいのかな。ただ主語は「something=何か」で、英語の構文のままですね。
2. DUDLEY, COME BACK! YOU'RE RUNNING RIGHT AT IT!
訳もわからずディメンターに飛び込んでいってしまったダドリーにハリーが叫んだセリフ。逐語訳なら「あなたはまさに正しくそれに走りつつある。」でしょうか。これも日本語では絶対に出てこない表現です。
これは悩んだ末、
「ダドリー、もどれ! そっちにいるんだぞ」
に落ち着けました。これもかなり超訳です。RUNNING、走っていることを完全に無視しています。せめて「そっちに走っちゃダメだ!」くらいにした方がよかったのでしょうか?
松岡訳では、
「ダドリー、戻るんだ。あいつのほうに向かって走ってるぞ!」
でした。う~ん、ちょっと不自然な日本語ですかね。
3. racing bikes
ダドリーの仲間達が乗っていたものは、原文では‘racing bikes’と書いてありました。松岡訳では「レース用自転車」となっていた。競輪選手が乗るようなドロップハンドルの自転車が思い浮かびます。しかし、高校生位の年代の子がそんなものを持っているか?
すぐに日本で言う「マウンテンバイク」のことだろうと推測したが、念のため確認しようと辞書を見てもよくわかりません。思いついてイギリスYahooで検索してみたら、確かに自転車のネットショップカタログで日本で言う「マウンテンバイク」の写真が‘racing bikes’としてズバリ出てきたので納得できました。便利な世の中であると同時に素人が簡単に調べが付いてしまうので、手抜きがすぐバレてしまう翻訳家の方も大変だろうな。
<告知>
この記事を見て私のハリポタ翻訳(5巻第一章のみ)にご興味を持たれた奇特な方に、もれなく原稿をお分けします。「メッセージ機能」(ウェブリブロガー限定ですが)でメールアドレスを送って下さい。テキスト原稿にて送付します。もちろん無料です(恐らく何の価値もありませんし)。
(思いつきで告知してみたけど、希望者なんかいるのかな…?)
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