映画「シン・ウルトラマン 」

 見た直後は「シン・ゴジラ」の方がインパクトがあったかな。パターンがほぼ同じなんだよな。長澤まさみのキャラはミサトさんっぽいし。正義と悪の戦いではない。何が正義なのかわからないエヴァンゲリオン的いや、金城哲夫さんの世界かな。とすれば庵野さんも本望か。(内容に触れてます)

 自分は人類の味方なのか敵なのか。悪魔である自分と人間が一つの体に同居してしまったが故に悩む「デビルマン」と同じか。永井豪/デビルマンはウルトラマンからヒントを得たのかな?  ただ、ウルトラマンになった主人公はヒロインと恋愛関係になるわけでもなし、なぜそこまで「人類を好きになってしまった」かの説得力がだいぶ弱いというのがいちばん目に付く批判かな。

 いきなり現れる最初のタイトルはなんで「シン・ゴジラ」なんだろ? 東宝/庵野カラー社の一連の企画を「シン・ゴジラシリーズ」とでも呼んでいるのかな。そういう見方が強いみたいね。

 映画冒頭に流れる「ウルトラQ」の流れから始まったのが「ウルトラマン」。その「ウルトラQ」はアメリカのTVシリーズ「トワイライトゾーン(日本題は「ミステリーゾーン」だったらしい)」なんだけどそこに言及している人は見ないな。むろん知らないんじゃなくて散らかり過ぎるからだろう。

 更に散らかすと「ウルトラQ」を引き継いだ「ウルトラマン」の名前は明らかに「スーパーマン」から来ていて、スーパーマン自体はニーチェの超人(Übermensch)からきているはずだ。

 ヒーロー伝説は引き継がれていくのだ。そして日本で繰り返し繰り返し制作され派生されるウルトラマンシリーズ。同様に仮面ライダー、ガンダム、ヒーロー戦隊物…。これらは現代の神話なのか。あ、「シン話」か。

 この「シン・ウルトラマン 」の特撮CGはよくできているもののチャチさもある。あくまで子供向け作品だからね。当時のテイストを再現する意味もあったようだ。それに対してもっともらしい衒学的な七面倒臭い理論付け(ウルトラマンの変身って“召喚魔法”の位置付けなのかな?)。ゼットンを前にしたウルトラマンの無力感や絶望感。これもオタクが意外に好きな要素。

 初代ウルトラマンにあったコミカルな演出も満載。お約束にマジレスするギャグ。
「あの禍威獣、透明になる意味ないじゃん!」
「ウルトラマンは着衣なの? 全裸なの!?」w

 あんだけの人数しかいない科特隊であんな巨大禍威獣とか処置できるわけないだろww。なんで日本にしか怪獣が現れないんだろうという禁断の問いにも答えているw。使徒が箱根にばかり現れるようなものだな。でも「過特対」にイデ隊員みたいな役回りはあるのにアラシ隊員みたいな隊員役はいなかったのが残念。

*ところで「過特対」でググると「過重労働撲滅特別対策班」(違法な長時間労働を行う事業所に対して監督指導・捜査を行う、労働基準監督官による特別チーム)が最初に出てくる。これは狙っていたんだろうか?

 長澤まさみが巨大化したのは(いろんな意味で)驚いた。なんと斬新なと思ったら、そういえばもともとのウルトラマンのエピソードでアキコ隊員が巨大化するのがあったんだっけ。セブンは再放送なりでほとんどのエピソード見てるんだがウルトラマンはあんまり記憶にないのよね。

 シン・ウルトラマンにカラータイマーがないらしいのは早くから指摘されていた。どうも成田亨さんオリジナルデザインがそうだったかららしい。その代わり体の模様の色が変化した。しかし赤になるとピンチって訳でもないんじゃなかったかな。そういえばデュワっ!(シュワッチ?)も言わなかった。

 ゾーフィーとゾフィー問題(ゾーフィに元ネタがあったってのは知らなかったな。ムミーンかよ)。なぜ呼び分けるのか。岡田斗司夫さんは「メタバースの別人ではないか?」と語っていた。そうかもね。そしてキャラがだいぶ変わっていた違和感。またなにか仕掛けがあるのか? 「シン・ゴジラ」での謎のラストカットみたいな。

 庵野さんは今回総合プロデューサー的立場で監督は別の人がやっていながら、あちこちに顔だしてるね。脚本、禍威獣のデザインとか。ちょっと気になってたけど成田亨さんのクレジットもエンドロールに当然あった。やはり偉大だ。50年経ってもウルトラマンや怪獣や宇宙人のフォルムは古くならない。

 米津玄師のテーマ曲も賛否あるだろうが、私はエヴァで宇多田ヒカルを起用してるみたいなもんで庵野さんの好みかなと思ったが。ラジオでもよく掛かってるし成功してるんだろう。

 庵野さんはまだ続編を作りたいらしいんだけど、予算つくのか?とか心配しているとか。でも「シン・シリーズ」はもうドル箱になるからむしろ東宝におがみたおされてやるんじゃないかな。「シン・ウルトラマン」はストーリー的に完結しているため、初代ウルトラマンでさらにもう一個作るっていうと完全オリジナル? (ゾーフィーがゾフィーになったように、神永氏はあのメタ空間で完全に分離してそれまでの神永/ウルトラマンとは別の存在になっているのだろうか)いや、「シン・ウルトラセブン」にするってことかな?


そういえぱ私はアンヌ隊員を間近に見たんだよな…。


Pen (ペン) 「特集:ウルトラマンを見よ」〈2022年6月号〉 [雑誌] - ペン編集部
Pen (ペン) 「特集:ウルトラマンを見よ」〈2022年6月号〉 [雑誌] - ペン編集部

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この記事へのコメント

sugata
2022年06月23日 23:12
まあ、マニアでないと気づかないようなネタを詰め込むだけ詰め込んで、その上でちゃんと一見さんも楽しめる映画にしているのはさすがですね。
ちなみに最初の「シンゴジラ」というタイトルも元ネタがあって、あれもテレビ版「ウルトラマン」のオマージュもしくはパロディです。テレビ版でも最初に「ウルトラQ」というタイトルが出た後に「ウルトラマン」というタイトルが出てくるんですが、覚えていませんか?
少佐
2022年06月23日 23:30
sugataさん

ブログでのコメントはお久しぶりですね。ありがとうございます。

> 最初に「ウルトラQ」というタイトルが出た後に「ウルトラマン」

へえ〜。私は楽しみに見ていた記憶は「帰ってきたウルトラマン」あたりからなのでそれ覚えてないです。ネットとかでもその指摘をしている人は見た覚えがないな。さすがですW。