『国宝消滅―イギリス人アナリストが警告する「文化」と「経済」の危機』(デービッド・アトキンソン)

つまり、「品格」をもち出す人たちというのは、単に面倒くさい、余計な仕事を増やしたくないだけという場合が多く、そのような人々は時代の変化についていけず、絶滅してしまっているのです。

 またアトキンソンさんの本を読んでみた。相変わらず手厳しいなあw。それも日本を愛してくれるからというのはよくわかる。アトキンソンさんがビシバシ放つ諸問題の分析や提言をつらつら読んでいると、これらは職人のみならず日本社会の縮図だと思い知らされる。

日本人の強みのひとつに、「与えられている枠組みのなかで、上手に運営していくこと」があります。

 与えられた田んぼを一所懸命に耕し続けるお百姓さんの伝統なんだろう。自ら切り開いていくフロンティア精神のアメリケンとは違うのだ。エゲレスのワーキングクラスはどうなんだろ?貴族の荘園制度ってイギリスにもあったはずだよね。日本はお百姓さんたちがそのまま社会の主役になりイギリスは貴族階級がそうなったってことか?

(なり手の減っている職人の確保のために必要な施策として)職人が一人前の仕事をできるようになるのは 10 年もかかるのだから、もっと収入を上げるべきだ」というものです。

 これも「品格」みたいに「業界の都合の悪い真実」をごまかすための神話じゃないかな。だいたいの「職人技」ってうまくマニュアル化して系統立ててトレーニングすればとりあえずの一人前になるまでそれほど時間もコストも掛からないはず。そもそも職人の教え方って「教えない」のが基本だし。

 技術の伝承なんて、そんな甘いもんじゃないんだ!という声もあるだろう。それってたとえばピカソに弟子入りして彼のもとで何十年も修行したところでピカソにはなれないのと同じで「どうしても出来ない天賦の才能」というものに関してはわかる。でもそんな伝授不能のことは考える必要がないじゃないか。できそうな事だけやっていけばよいだけなのに。

 マスコミの中小企業特集でよく持ち上げられる「この会社でしか作れない部品! 日本スゴイ!」とかも、実は需要が小さいから大手がやらないだけで、大資本を持つメーカーが本気で金も人材も掛けて取り組めばすぐ作れちゃうものも多い(実際そうした話を岡野工業さんか先着順で採用を決めるこの本の社長さんが言っている記事を見た覚えがあるんだけどな)

岡野工業さん廃業しちゃったんだなあ…
https://maonline.jp/articles/haigyou_3sen180227


国宝消滅―イギリス人アナリストが警告する「文化」と「経済」の危機 - デービッド・アトキンソン
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