『会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語』(田中 靖浩)

 歴史を学ぶことはとても楽しく有益である。今生きている我々のこの時代がどのようにして出来上がったのか。過去に行けばそれがわかる。

経理担当者以外のビジネスパーソン、とくに経営者に必要なのは細かい処理を学ぶことではありません。「そのルールや仕組みが存在することの意味」を知ることのほうが重要です。


 本来簿記や会計の勉強なんか退屈極まりない。会社とかで言われて仕方なく始めても、なんでこんなことやるんだかさっぱりわかんないよなぁという感想をまず持つのでは。あまつさえ初心者のための簿記の参考書には「あれこれ考えるなとにかく覚えればいいんだ!」みたいなことが書いてある。全くやる気をなくす人も少なくないだろう(私だよ)。

 でもなんにしても存在理由がちゃんとある。前から思っているが会計とは歪んだ算数。儲け話に群がった関係者の「俺の分け前をちゃんとよこせ!」という阿鼻叫喚が渦巻いた「大人の事情」満載の数合わせなのだ。その歴史を紐解けば、まあ(他人事だけに)面白いこと。よく売れてるらしいが納得だ。

 話はヴェニスの商人から始まり、21世紀の最新ファイナンス理論まで思えば遠くへ来たものだ。過去会計から現在会計、そして未来会計へ。なるほど、ファイナンスは将来のキャッシュフローか。なんでこんなことすんのかなと思っていたことがだいぶクリアになった。

バブルはクルシウス教授の「珍しい色のチューリップ」のごとく、新しいテクノロジーが登場した直後に発生することが多いよう

 新しいテクノロジーが生まれると感情的な拒否反応起こされることも多いのだけど。安全だとわかりフォビアが過ぎればバブルが起きるのかな。バブルって後から振り返るとなんだったんだ?!ってことが多いよね。

本書を読み終えた読者は、帳簿、決算書、予算、企業評価などの歴史が「意外に短い」ことに気付かれたことでしょう。

 この本には会計500年の歴史が書かれている。現在の我々が採用している最もベーシックなBS・PLは実質産業革命以降100年間のものなんだな。経済はいまや人類の活動の根幹をなすものとなっているが、2000年の歴史のある宗教とはまだまだキャリアが短い。

 著者の話は音楽や絵画、はたまたテクノロジーとも絡めイメージ湧きやすく飽きさせない。世の中はすべてが関わり合って進んでいくのだ。

この第1部の「隠れ主人公」は「紙」でした

 紙は神! つまり記録と情報伝達がすべての鍵ではないか。としたところで21世紀の今は電子データがすべてを握る。ITなんだな。

*オノ・ヨーコさんがレノン=マッカートニー楽曲の将来価値について理解がなかったとは思わないけどね(あくまでわかりやすく区別しただけだろうけどね。











会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語
日本経済新聞出版社
田中 靖浩


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