奇想の系譜展(東京都美術館)

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 あまり予備知識無しで見に行った。そもそも新・北斎展 HOKUSAI UPDATEDとセット売りされていたのでついで買いだったのだ。でも良い評判も聞こえてきた。なにより若冲がこんなにあったなんて。いつぞや大喧騒の中で見た伊藤若冲展よりずっとゆっくり楽しめた。(東京都美術館の若冲展の記事探したがなかった。あまりにひどくて記事も書いてなかったんだなw)


《象と鯨図屏風》伊藤若冲(1797年)
 いきなり迎えてくれるのがでかい鯨と象の屏風絵。なんかちょっと変。どっちも伊藤若冲さん見たことなかっただろうに(そりゃまあ龍とかだってみたことあるひとはいないだろうけど)。想像というかなにかの図版で見たものを元に描いたのではと推測される。隣で見ていた小さな女の子が「なんでベロが牙なのぉ?」とお父さんらしき人に聞いていた。確かにそうも見えるなヘタウマだ。所蔵はミホ・ミュージアムか。桜の時期に一度行ってみたいものだ。


《一ツ家》歌川国芳(1855年)
 最後に見る恐ろしい絵。板張りだ。所蔵は浅草寺とあるけど、普段から寺に展示されてるのかな? 旅人を引き込み夜半に殺して金品を奪う山姥の被害に菩薩が童子の姿に身を変えて退治しに行く話らしい。ひと目で菩薩と分かるポーズをとる青年に狙いを定め、「さ~て今夜の獲物は~」と準備万端な恐ろしい山姥に「もうやめておくれよ!」とすがりつく娘?無理やり働かせている身寄りのない少女?の図。
 注目したのはすがりつく若い娘の横顔。老いた山姥との比較で美しく見えるのも計算かも知れないが顔のその描写に目が留まる。どこまでも平面が基本の日本画においてあの横顔はリアルな3D技術であった。
 にしても山姥の元型ってなんなんだろ。夜中シャーシューシャーシュー包丁を研ぎ泊り客を襲うクソババア。実際にそういう女強盗がいたのかも知れない。男性が潜在的に持つ女性への漫然とした恐怖心かな。雪女とかもその流れだろうか。悪いやつを神様仏様のたぐいが人間に化けて懲らしめに来てくれるというのは、ウルトラマンの元型だけど。











山姥の話
2012-10-04
楠山 正雄


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