少佐の記憶-Memoirs of a major-

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zoom RSS 『アウトサイダー・アート入門』(椹木 野衣)

<<   作成日時 : 2019/02/23 14:18   >>

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 アウトサイダー・アート。けっこう好きでけっこう企画展にも足を運んでいる。それでもこの本で、ギョーカイでは有名ドコロなのだろうが自分は知らなかったひとがけっこう紹介されいてオラなんだかワクワクした。ワッツ塔とかもむろん、日本にもそんな人がいたのか。

 ダーガーくらいは知っていたが。
ヘンリー・ダーガー展 〜アメリカン・イノセンス(ラフォーレ原宿)


 日本での認識はなんとなく福祉(精神疾患患者の治療目的)が中心な気もする。それもありはありなんだけど。

 これも見に行ったっけ。
アンリ・ルソーから始まる - 素朴派とアウトサイダーズの世界(世田谷美術館)

ここから −アート・デザイン・障害を考える3日間−(国立新美術館)


 著者はまずアウトサイダーという言葉の意味に徹底的に拘る。アウトサイダーがいるのなら当然インサイダーもいるわけで。誰が中にいて誰が外に居るのか? 今でこそ世間に開かれているが美術品とはそもそもは好事家の間でひっそり見られていたものだ。なにかからくりがありそうだ。

 私もアンリ・ルソーがなぜアウトサイダーと呼ばれないのか?ちょっと不思議に思っていた。というか、正規の美術教育を受けていない、作品のあまりのユニークさが故に阻害されてきた、あるいはなんらかの障害をお持ちながら常人には成し遂げられない執着心で原始的なパワーを持つ作品を作り出せる人…などがアウトサイダーの定義であれば、日本画壇からはじき出されたフジタだって、あの水玉は幻視だという草間彌生だって、有名な耳切事件のゴッホだってどこかしらそうじゃないのか。ってか最初からエリート教育を受けてすくすく順風満帆で巣立った人なんかいたのか? ピカソくらいじゃないのか?

 最近ならバンクシーだって、(正体不明とはいえ)あれこそ「アウトサイダー」に分類されてもおかしくはないはず。でもされないんだろうな。あれは絵自体というよりも「いたずら」みたいなパフォーマンスを巡って、みながああでもないこうでもないとその価値(ほんとはあの絵に価値なんてないのに)を取りざたする様を見てバンクシーがクスクス笑うためにやっていること(今日本で発見されたものがホンモノか偽物か議論が湧き上がること自体彼(?)の術中にハマっている)。そういうのも芸術だろうが、内省性よりも社会性が前に出ている。

 そもそも美術界は閉鎖されたところだ。それぞれナワバリがあるんだろうな。めんどくせえ。でも文芸関係は、同様に文壇とかもあるのにあまりこうしたことで騒がれない。なぜだろう。答えははっきりしている。どれもこれも少なからずのゼニが絡むからだ。たとえばゴッホやフェルメールの未発表作品が見つかったとすればオークションで数億、数十億のカネが動く(作品の質は二の次だ)。でもゲーテの未発表原稿が見つかってもそんな(少なくともお金の)騒ぎにはまずならない。筆者にはそのへんも突っ込んで欲しかったかな。

 この本ではかなり突っ込んでた(と思う。実はすっかり読んだの忘れていた)
『アウトサイダーアート 芸術のはじまる場所』(デイヴィド・マクラガン)


「今もてはやされている現代美術もこの先まだ価値を持ち続けるとは限らない。」

 美術関係者にしてとても勇気ある発言だ。でも近現代芸術はもともと職人に過ぎなかった画家らが個性を持ち自己主張を始める内に自らの価値を相対化していったのがその歩んだ道だった。今でこそアウトサイダー扱いの作品も遠い未来ではこの世紀の主流と扱われる日も来るのだ。

***
 この本で紹介されたアーチストの中では田中一村がすごいと思った。


 ゴーギャンつうか見た感じルソーじゃないか。かつて日曜美術館で紹介されて一大ブームが起こったのも納得する。これは現物を見てみたい。田中一村記念美術館は奄美大島かよ。飛んでみるか。…あれ? 去年佐川美術館で回顧展があったんだ。かあああ、この本もっと早く読んでおけばよかった。やっぱ積読はいかんのだな。片っ端から読み上げ機能でずんずん斜め読み進めよう。











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