『コーヒーに憑かれた男たち』(嶋中 労)

 この本で描かれるのはコーヒーバカの物語。彼らは皆一様に求道者、哲学者にして宗教家でもある。そもそも飲み物・食べ物にこれほどまでにこだわる国民性はやはり茶道あたりから来ているんだろうか?(まあ別に茶道はお茶の味とかにこだわるものではないけど)。

 世の中の下々のものはコーヒーの味をまったくわかっていない! 年月をかけて熟成させるオールドビーンズこそ至高の一杯。スタバだ? そんなものをコーヒーと呼んではいけないのだ!!

 そんな奇人変人おやじ(女性もいるけど)の店であなたは飲んでみたいか? ビジネス形態としては失敗モデルだと思う。「コーヒーなんて人が入れようとキカイが入れようといっしょデース。おーるどびーんず? ばっかじゃないの? 豆は新鮮なのに限りマース」。これが今のグローバルスタンダードらしい。自分の美学に酔いしれる日本はなんでもガラパゴスになっちゃうんだなあ。

 コーヒーに憑かれた彼らは次第に周りと壁を作って孤立していく。道を究めんとする人と世間との間に生じるおなじみの構図だ。

 この本で紹介された(比較的まともな人と紹介されるw)、カフェ・バッハには行ったことがある(らんぶるも行った気がするのだがそうとう昔のことでほとんど記憶から消えている)。

 カフェ・バッハがある泪橋の付近はたしかにちょっとイッちゃってる街だぜ明日のジョー! だがカフェ・バッハのお店は(来るまでの風景とは違いw)清潔感あふれるところなのでご安心を。賑わう店内でカウンターに座り、モカだかキリマンだかのコーヒー頼んだら、注文したものと違う種類がやってきた。きょとんとしていたら(私がいい間違えたかもしれないし←その可能性が高い)快く取り替えてくれたのをよく覚えている(別にそんなこだわってないからいいですよと言ったのに)。

 著者のスタンスはけっしてオールドビーンズ礼賛一辺倒ではない。むしろあまりのこだわりにドン引きしてる様子も見える。
あとがきでの(希少なブルマンを入れてくれたお兄さんの前で砂糖を入れて飲もうとしたら怒られたトラウマ)「兄貴、コーヒーなんぞ、好きなように飲ませやがれ」に表れている。でもそんなバカどもを心から愛しているのはこんな本をまとめたことから容易に知れよう。愛はすべてを肯定するのだ

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 だいぶ前に読んだ本で途中まで書評書いてほったらかしにしてた。コーヒーネタが続いたので思い出して発掘した。数年ぶりにSony Readerの電源入れたw。まだ充電できて動いたww。

 その後、米国ではサードウェーブコーヒーなるもののムーブメントが起き、それはそもそも日本のこだわりの喫茶店にインスパイヤされたものだという。そして彼らは日本にも進出し、日本人が毎日行列をなしている…。もっと足元を見ようよジャパニーズ!










コーヒーに憑かれた男たち (中公文庫)
中央公論新社
嶋中 労


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この記事へのコメント

コロコロ
2017年09月27日 17:31
世界一のコーヒー目指し農園を回るミカフェ―トの川島良彰氏。コーヒーをワインのように扱い、セーラーに保管。芸能人の御用達でテレビで紹介されることも。
https://www.mi-cafeto.com/aboutus/taste

そのコーヒーを飲みました。

これが世間一般の好みの味なのかぁ・・・・  
私の味覚がずれているのかなぁ?
どんなコーヒーが好みかは、人それぞれ…ということを考慮したとしても・・・・

横浜に店舗ができましたので、もし、機械があれば、
試してみて下さい。
https://hamakore.yokohama/the-royal-cafe-yokohama-open-info/


他にもあるみたいです。
https://www.mi-cafeto.com/shop/
少佐
2017年09月27日 21:31
>コロコロさん

ブログに書かれていたやつですね。ミカフェ―トの川島良彰氏?私は存じ上げてなかったかな。この本に登場してたりして…。
横浜のお店、店構えはスゴいですが、料金は普通ですね。池袋の皇琲亭の方が高そうだ。
http://syousanokioku.at.webry.info/201205/article_2.html
コロコロ
2017年09月28日 00:48
ここのコメ書いたあと、問い合わせてなんなく理解しました。私も、カフェバッハで修行したというお店のプレンドが好みでした。
http://korokoroblog.hatenablog.com/entry/hino%E2%80%90atarumiti
たまたま、田口さんがお店にいらしていて、コーヒー専門誌の取材を受けているところに居合わせました。マスターに、いろいろな味覚、好みがある中、おいしいコーヒーとは何かをうかがったら、新鮮な豆をハンドピックして丁寧に作ること…みたいに言われていました。

そしてこの記事にオールドビーンズ云々がありますが、ミカフェートは〇〇年ものというラインナップがあって、どういうことなのか伺ったら、こちらでは、〇〇年の豆は、ワインのように特別によくできてるということがあって、それを酸化させずそのままの状態で管理する維持費と時間コストが加わっているようなことを言われていました。

いかに付加価値をつけて、それに納得させ受け入れさせるか。長嶋一茂が、ここのコーヒーを飲んで、一日が始まると言ってました。キ〇タ〇もここのごひいきさんのようです。
少佐
2017年09月28日 21:49
>コロコロさん

一茂は隠さず、キ〇タ〇…なぜ伏せ字に? いっしゅん別の言葉が浮かんでしまいましたw。
そういえば、国立民族学博物館でこんど「標 交紀(しめぎゆきとし)の咖啡の世界」なんてことでコーヒーの歴史(?)展みたいのやりますよ。来週さっそく行ってきます。なんて自由人!w
http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/thematic/shimegi20170928/index
コロコロ
2017年09月30日 10:19
一瞬、別の言葉… 気づかなかった(笑)

一茂がテレビで話していたのを見たのですが、もう片方は、プライベートを公開するのを極端にきらうと聞いているのと、内々にスタッフさんが教えてくれたみたいな感じだったので…

民博はなんでもあり。コーヒー文化も扱うんですね。標 交紀って何だ? 儀式? と思ったら人名だったのですね。民博の思い出といえば、あそこに傘を忘れて、また今度行くので…と言いながらそのままでした。
少佐
2017年10月02日 20:08
>コロコロさん
なるほど。でもまあ、そのやんごとない御方がこんなブログのコメントを探し出して「オレのプライバシーを侵害したな!」と文句を付ける事はないでしょうけどねw

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