山口小夜子 未来を着る人|東京都現代美術館
私が子供の頃、資生堂などの化粧品のTVコマーシャルは、ガリガリの無表情で厚化粧のおばさん(子供の目にはそう見えた)が、飛ばすクルマの車窓から身じろぎもせず睨みをきかせるみたいなものがほとんどでとても生きている人間とは思えなかった。今から思えばあれはマネキンだったのね。今ではご承知の通り、生き生きハツラツとした等身大のおねえさんの瑞々しい美肌を演出する明るいCMが主流になっていると思う。
「小夜子は日本的すぎるくせに国境のない女にみえる。古典的な形態でいながら現代的である。美人のようでもあるし、不美人のようでもある。色気もあるが、冷たくもある。」
個人的にはオドロオドロしたイメージが常に付きまとう70年代。オカルトブームもあった。寺山修司も然り。そんな時代の陰を纏う山口小夜子。女優や歌手であればその人自身の魅力に加え、出演作品や楽曲の力も手伝って死後も後世に語り継がれることもある。だが山口小夜子はどちらでもなかったようだ。基本はモデル。今ならばパフォーマーと呼ばれるべき存在だろう。それなのにこれだけ永く存在感を示すのはどうした訳だろうか。
私個人は服飾系ファッションや化粧品にほとんど興味はない。それでも彼女のことを知っていたのは、言わずと知れたスティーリー・ダンの不朽の名盤 "aja"のカバーを飾ったモデルさんとしてのこと。
"aja" のロゴに合わせるようにしていたのだな(何十年と聴いてるのに最近気づいた)。漆黒の闇にスポットライトでチラッとしか見えない横顔で "a" を作り、下に長く伸びた j を模す紅白筋の着物襟。(残りの a はどこへ行ったんだ?w)
一部撮影OKの展示箇所がある。
これは彼女のマネキン。まるで生きているようだ。このマネキンが仮にマネキンの真似をした生きている御本人だったとしてもあまり違和感がない気がする。いや違和感がなさすぎる。彼女が最後まで演じ続けていた「山口小夜子」はやはりマネキンのようなものだと思った。
展示最後の映像作品では谷崎潤一郎『陰翳礼讃』の朗読とパフォーマンスを披露していた。ご自身の生き方自体、闇に溶けていくのを本望としていたのだろう。全てが明るみのもとにシェアされてしまう21世紀の世の中を、彼女がまだご存命であったなら、どう評価していたことだろうか? (意外にSNSとか使いこなしていた気もするのだけど)
<おまけ>
早くも飽きられ始めた?との噂が立ったブルーボトルコーヒー一号店。噂の真偽を確かめに、近くなので寄ってみた。ぜんぜん空いてねーよww。時間にもよるんだろうけどね。回れ右して帰りました(`・ω・´)ゞ












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