少佐の記憶-Memoirs of a major-

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zoom RSS パリへ渡った「石橋コレクション」1962年、春(ブリヂストン美術館)

<<   作成日時 : 2012/02/19 21:18   >>

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 超一等地の豪華マンションに住む新進実業家=ヒルズ族なんて言葉があったように、昔の日本の成金は名画を買うことがステータスシンボルだったんだろうか。松下、出光、ポーラ化粧品…名だたる優良企業の冠美術館(そんな言葉があるか知らんが)には何かとお世話になっている。そんな中、ブリヂストン美術館開館60周年記念企画ということで二年ぶりに足を運んだみぞれ混じりの金曜の夜。

 つまり、1962年パリで行われた石橋さんのコレクション展を再現してみました、ってことらしい。パリっ子も垂涎の名画をよくもまあこれだけ集められたこと。で、びっくりなのは、その展覧会の様子がミニ映画になって保存されていた。館内で上映されていたさすがにまだ私も生まれてない頃の貴重なフィルム(しかも一部カラー!)。すげー! まるで将軍様を称えるマンセー映画だぜ! こんな名作の数々観れたらいいなあ…って隣に飾られてるんじゃん(笑)。


ウジェーヌ・ドラクロワ《馬習作》 ?年
 巨匠が描くと習作もかようにすごいものになるのかの見本。いきなり喰らってしまった。小さな画面に馬の全体像、馬の首だけ、目だけ、大きさもまちまち…遠近法も色のバランスも特に考えもなくさらさらっと筆を振るったのだろうが、それぞれがうまいだけにそれがかえってシャガールみたいなシュールな画になっていて普通に描かれたものよりも今見ると面白い。


アルフレッド・シスレー《森へ行く女たち》 1866年
 女が三人どこかへ行くの図はなんかあちこちで取り上げられるモチーフである。シスレーなんて健全さの代名詞みたいな平和な風景画家のイメージだったけど、これはちょっと「怖い絵」の雰囲気が意外だった。


ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》 1904-06年頃
 延々描き続けられたサント=ヴィクトワール山連作の一枚。黄色い積み木はなんだろなと思ったらシャトー・ノワールという建物だそうで、ほんとにあんな形していたかどうかは知らないし、似せる気もなかっただろう。りんごと同じで、塗って塗って塗りまくって理想の美の彼岸に独り向かうセザンヌ先生の執着心が偲ばれる。


アンリ・ルソー《イヴリー河岸》 1907年
 これポーラ美術館で観てたような気がしたけど、あれはまた別の飛行船だったようだ。フランスで表面の洗浄を受けたらしく、なるほどすごくきれいに色が出ている。ここの美術館はロープとか貼ってないからその辺もほんと間近で見れるんだよね。それにしても相変わらずヘタだわ(笑)。あの河に接した柵は一体どっち向いてるんだろうか? 人の縮尺もまったくバランス取らずにフィギュア並べてるみたい。でも森の木々の葉っぱとか異様にしっかり描かれているのは見逃せない。


ポール・ゴーガンに帰属《若い女の顔》 1886年
 あの映画の中では堂々とゴーガンの作品と紹介されていたが、ちょっと怪しいらしい。私に鑑定なんか出来っこないが、うーん、ゴーガンが描いたようにも見えるし、そっくりさんのようにも見えるし…。つまり石橋さんがいっぱい食わされたかどうかって話しなのか?w


アンリ・マティス《画室の裸婦》 1899年
 これぞフォーヴ。鮮烈な裸婦。全身を赤で描くなんて、誰も思いもしなかっただろうが、そばに緑の補色を置いてより際立たせ、これが実に決まっている。


ジョルジュ・ルオー《ピエロ》 1925年
 パナソニックの方でもたくさん置いてあるルオー。これは真正面から捕らえた誰かの肖像画。しかし撃たれるね、この迫力の宗教観。


アンドレ・ドラン《自画像》 1913年
 ぜんっぜん知らない人だけど、この自画像の雰囲気、村山槐多だな、と思った。


パブロ・ピカソ《女の顔》 1923年
 新古典主義の頃の名作。石橋さんはこの頃のピカソが特にお好みだったのでは?という解説。気が合いますなw。やはりここに飾られている、《腕を組んですわるサルタンバンク》と同系統の作品。まあすごいこと。すべての線に隙がない。塗もたっぷりでなんだか白い糖衣みたいだ。しかし胸元とかのザラザラしてるのはなんなんだろな、塗り残してキャンバスの地が出てるのかなと思ったら、絵の具に砂を混ぜて描いていたらしい。セメントかよ!(笑)。一時あのおっさん、コラージュにも凝ってたからなあ…。


 ここから先は通常のコレクション。目についたものを幾つか。

トゥールーズ=ロートレック《サーカスの舞台裏》 1887年
 先日見てきた記憶もまだ新しいロートレック。これは珍しくキャンバスに油彩。でもなぜか白黒。よくわからん人だ。でも白の絵の具を集中させて幕間から漏れる光を効果的に表現しているのはさすが。


モーリス・ドニ《バッカス祭》 1920年
 おー、ドニなんてあったんだ。バッカス祭って事はバッカスさん自身はいないのね。古代ギリシャ展でみたバッカスさんは美しかったけど。でも愛してはいけない男性神だったわ…。


カイム・スーティン《大きな樹のある南仏風景》 1924年
 スーティンは最近赤丸急上昇で人気があるようだ。モディリアーニもそうだけど、貴重なエコール・ド・パリの作家の一人。石橋さんさすが目利きだよね。この作品はなんか悪霊のいる家って感じ。


 あと、ここには彫刻も飾られていて、その中でペリクレ・ファッツィーニという人の「爽風(B)」。風邪が吹いて服が脱げておっぱいまで見えちゃったよ、という訳わからない楽しい像なんだが、彫刻の森美術館で見たなこの人の作品。あっちは炎の妖精みたいな感じだったけど。吹きすさび感とかに特徴のある人なのね。

 ゼメキス監督版「クリスマス・キャロル」に出てきた過去の妖精を思い出すんだよね。
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