少佐の記憶-Memoirs of a major-

アクセスカウンタ

zoom RSS マンガ「宙のまにまに」(10) 限定版

<<   作成日時 : 2011/10/30 22:51   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

*内容に触れてます。「宙のまにまに」 (9)(10)未読の方はご注意下さい。


 あの日あの時あの場所でプラネタリウムに行ってなければ、この作品と出会うことはなかったのか(BGM: 星に願いを)。だが出会うは別れの始まりなり。半年間の淡い夢は過ぎ、君は急に大人になってしまった。今こそ別れめ、いざさらば。

 悠久の宙に比べ、時に縛られた地上の移り変わりは速い。物語の終結に向け作者は次々と恋する者たちに引導を渡していく。

 「未来への切符」を手に、まっすぐ自分の夢を叶えていく美星のパワーに敗北感を覚えざるを得ない姫。もうこの人には叶わないかも知れない。自分は何をしたら勝てるのだろう。この二人の間に自分が割り込む余地は残っているのだろうか。

 文学と生徒会の規則に明け暮れた高校生活で初めての異性との外出。旧友への罪悪感にしだかれながら共に歩んでいける同志を見つけたフーミン。だが彼との距離がそれ以上近づくことはなかった。慎重に選んだ言葉。回りくどく控えめな告白。秘めた意図は伝わらず、その代わり、屈託の無い笑顔で、気持ちのこもった、本人は知る由もない残酷な断り文句で現実に揺り戻される。


 姉弟(兄妹?)みたいな関係が男女のそれに変わる瞬間はいかに訪れるのだろうか。

 「自分のキモチなのに…小口径低倍率で星雲を見ているみたい…」。美星のキモチは次第に形を見せ始める。

 「今わたし… 朔ちゃんの顔が浮かんだよ…」。物語最終話、朔と夜の桜並木を歩く中でそう告げる美星の顔はなんだか急に大人びて見えた。

 「…いいんだよ… ゆっくりいこう」。それまで美星に引っ張られるばかりだった朔が初めて自分から美星の(手首ではなく)手を握った。「好き」にいろんな形があるように、「好き」を伝える方法にもいろんな形がある。朔の取り組んでいる小説はその「好き」の想いを言葉にしようとする試み。描かれる世界はきっとこの「宙のまにまに」そのものに違いない。

 「どうしたの? 行くわよ?」。大学の入学式、フーミンに言われた次のコマで、美星はきれいでステキな桜の中に朔を見ている。朔が持つのはかつて美星の使ったメガホン。そして物語は回帰しまた紡がれる。宙は巡る。


☆★☆★☆★(雑感)
 ということで、ついに完結してしまった(TдT)。すでに二年前の雑誌のインタビュー(月刊 星ナビ 2009年 05月号)で、連載が終わったら…みたいな話をしていたので、連載終了は予定通りだったんだろう。まずはゆっくり休んで頂いて、次作をのんびり待ちたい。お疲れ様でした。

 次はまた星に絡んだ話? SF? HPにちらっとイラスト出ていたけどホラーも描いたりするのかな(怖いのなら読まないけど( ;∀;))。ここは思い切ってスポ根ものとか、エロいのとかにも挑戦して欲しい(?)。

 さてこの最終巻、まずは受験の結果がどうなるのかなと思っていたら、ストーリー的には、一人も失敗しなかったのは普通ないことだろう。失敗するならフーミンだったかも? でもほんとに美星が落ちて「浪人編」が始まっても面白かったのにw。

 二人の恋の行方は曖昧な幕切れだったけど、結論は出ているよね。しかし「あなたの作品も待っているわ」「ちゃんと背中は押したんだもん…フェアよ☆」なんてセリフにはまだまだ続く熱いバトルが予見される…(?)。

 ところで、雑誌の大賞に応募してドキドキするフーミンの姿はカシマミさんの経験と被るんじゃなかろうか。雑誌「アフタヌーン」の四季賞を高校生の時にもらったっていうから。その作品と連載前に描いた短編(?)も読んでみたいのだけど。もうちょっと溜まったらまとめて単行本にしてくれるのかな。

 問題作の番外編。確かに言われてみればフーミン目線の物語だった。「明野の男?」というセリフ、朔に妙に冷たいところや美星があまり活躍しない、つまり朔を助けてくれないところ。そういや朔と美星は一度も顔を合わせてさえいない。しかしなんで「巨人の星」なのかな、と思ったら、あそっか、「星」繋がりか。かなり後に気づいたよ。まだお若いのに梶原一騎まで抑えているとは思いもよらなんだ(笑)。


☆★☆★☆★(メディアについて)
 (9)(10)は電書化が待ちきれず、紙の本で購入した。これまで iPad で読んでいたのと比べると、当たり前だが解像度は高いな。スクリーントーンのきめ細やかさまでよくわかる。

 また単行本を買って初めて気付いた奥付にある作者からの一言メッセージやカバー取った裏装丁。電書版にもこういうおまけ的なページまで載せて欲しいんだけどな。ちょうど iTunes 楽曲がライナーや歌詞カードがないものが多いことと同様だろうが。

 10巻の限定版特典、おまけのポストカードは、書き下ろし一枚を除いて各話の扉絵からのピックアップが中心だが、9巻以降からは取られていないようだ。だから私が傑作だと思った 9巻 第56話(美和子ちゃん登場の話)の、指で作った輪っかで皆が覗いてる絵が採用されていない。片手をポッケに突っ込んだ美星が強烈に可愛いのに。ちょっと目がデフォルメっぽいけど、マニエリスムということで。これのポストカードが欲しかったよう。











宙のまにまに(10)限定版 (プレミアムKC)
講談社
2011-09-23
柏原 麻実


Amazonアソシエイト by 宙のまにまに(10)限定版 (プレミアムKC) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
マンガ「宙のまにまに」(10) 限定版 少佐の記憶-Memoirs of a major-/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる