『妊娠小説』(斎藤 美奈子)
言われてみれば確かに日本文学に多いのかも知れない。もともと恋愛・青春小説みたいのは苦手で、個人的に触れる機会が少なかったので気づかなかったのか。あんまり孕み話が続くもんだから、こっちがつわりを起こしそうになった。
そういえば「妊娠小説」なるもの(若い男女が堕ろすの堕ろさないので悩みまくる青春小説)、海外の小説ではほとんど見た覚えがない。嬰児殺しのグレートヒェンで有名なゲーテの『ファウスト』くらいか。そういえば『舞姫』と『ファウスト』って似てるな(とっくに指摘されているんだろうが)。「掻爬」についてとことん考えたアーヴィングの『サイダーハウスルール』って変な小説もあったか。あ、そういえば『親和力』も不気味な嬰児が出てきた。ただいずれも日本の「妊娠小説」のねらい所とはぜんっぜん違う。
深層心理学的に解釈すれば、中絶される胎児は自分の代わりに全てを引き受けて死んでくれる象徴。そして死は同時に再生へと結びつくのが定石。胎児の死により、母胎や父性は新たな生を受け大きく成長することが出来る。斎藤女史がパターン化してみせた妊娠小説黄金のパターンもそれに則っているとみてよい。
それにしても犠牲になる胎児にしてみりゃ溜まったもんじゃないよな。腹切り文化にしろ、日本に於ける妙な命の軽さは宗教観の背景なんかもあるんだろう。輪廻転生というか、この世の姿は仮の姿との認識が強い気がする。「お前の肩に水子の霊が乗っているぞ」なんて海外じゃ絶対ギャグにならないだろう。
どうでもいい話だが、文中「的を得た表現」との表記があった。私は(すでに慣用的にもう正しいものと認めても良い)誤用にはこだわらない主義だが、言葉に異常なほどこだわる(それがこの人のウリじゃないのか?)女史にしては以外だったいや意外だった。これは罠か?(笑)
妊娠小説
そういえば「妊娠小説」なるもの(若い男女が堕ろすの堕ろさないので悩みまくる青春小説)、海外の小説ではほとんど見た覚えがない。嬰児殺しのグレートヒェンで有名なゲーテの『ファウスト』くらいか。そういえば『舞姫』と『ファウスト』って似てるな(とっくに指摘されているんだろうが)。「掻爬」についてとことん考えたアーヴィングの『サイダーハウスルール』って変な小説もあったか。あ、そういえば『親和力』も不気味な嬰児が出てきた。ただいずれも日本の「妊娠小説」のねらい所とはぜんっぜん違う。
深層心理学的に解釈すれば、中絶される胎児は自分の代わりに全てを引き受けて死んでくれる象徴。そして死は同時に再生へと結びつくのが定石。胎児の死により、母胎や父性は新たな生を受け大きく成長することが出来る。斎藤女史がパターン化してみせた妊娠小説黄金のパターンもそれに則っているとみてよい。
それにしても犠牲になる胎児にしてみりゃ溜まったもんじゃないよな。腹切り文化にしろ、日本に於ける妙な命の軽さは宗教観の背景なんかもあるんだろう。輪廻転生というか、この世の姿は仮の姿との認識が強い気がする。「お前の肩に水子の霊が乗っているぞ」なんて海外じゃ絶対ギャグにならないだろう。
どうでもいい話だが、文中「的を得た表現」との表記があった。私は(すでに慣用的にもう正しいものと認めても良い)誤用にはこだわらない主義だが、言葉に異常なほどこだわる(それがこの人のウリじゃないのか?)女史にしては以外だったいや意外だった。これは罠か?(笑)
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