少佐の記憶-Memoirs of a major-

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zoom RSS ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展(東京都美術館)

<<   作成日時 : 2017/05/03 21:42   >>

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 すぅなのぉあーらーしーにーかくさぁれた〜ばびるのとおにすんでいるぅちょおおのうりょくしよおおねん、バビル2世♪

 誰もが知ってる(古いか?)この歌でお馴染みバビルの塔…ではなくバベルの塔が、はるばるネーデルランドからやってきた。しかしビとベの違いは何だろ? 大人の事情か? バベルの塔にコピーライトなんかないはずだけどな。ヤー!



 数ヶ月前、バベルの塔が来日するという情報をキャッチした。一度大塚国際美術館でレプリカを見ていて、ただの塔の絵ではなくすごい細かい描写画されていたことは知っていたのだが、ビとベの違い以前に本家にもバージョンが二つあるとは知らなんだ。





 頭の中でバビル2世のテーマが鳴り止まないままいよいよ入館した金曜の夜。だがこの企画展、バベルの塔以外にも大注目の作品がある。 この展覧会は副題を「16世紀ネーデルラントの至宝−ボスを超えて−」。そう「奇想の画家、ボス」の油彩画2点も来ている。ブリューゲルはボスの奇想や精密さに大いに影響を受けているという。はやる気持ちを抑えつつ、ボスの方に先にご挨拶。なんたってボスだし。

ヒエロニムス・ボス
《放浪者(行商人)》1500年頃
 500年以上も前の絵である。だいぶくすんではいる。それでも描き込まれた数々の仕掛けはまだ楽しめる。

 ボス自身はこの絵に標題を付けていないのではないか。今見ると何をしている人たちの絵なのかちょっと見にはわからない。

 放浪者なのか行商人なのか? 最も大きく描かれる、網カゴを背負った男。ズボンの膝が破れているのはオシャレではなく、貧乏がゆえだろう。左足はサンダル、右足は短いブーツなのもあわてんぼうさんということでもなさそうだ。

 行商人とも呼ばれる所以、背負っている大きなカゴの中身は何だろう。大きな木の匙もぶら下げていたので、穀物を量り売りでもしてるのかなと思ったが、解説では匙も売り物とされていた。中身には触れられてない。

 他に身に着けているのは、なめした猫の毛皮、靴修繕用の針(?) 頭にターバンみたいの巻いてるのに、なぜ手につば付きの帽子を持っているのか。これも売るのかな。

 左手の家では立ちションしているおっさん、窓から覗く女の人、そして戸口でいちゃいちゃしてる男女がいた。解説によってここが娼館と知る(いろんなサインが絵の中にあるらしい)。でもいちゃいちゃしていた兵士みたいな男はともかく、女性は尼さんみたいだったけど(迷惑そうな表情もしていた)、そういうおねえさんなんだろうか(コスプレ??)

 この絵にはいろんな暗喩が含まれているそうだ。でも絵画的には「視線」がこの絵のキモではないだろうか。頭上の木の上の(知恵の象徴)梟の爛々と光るまん丸目玉から、放浪者でもある行商人の思わせ振りな流し目、地元娼館の窓から覗く女性の訝しげな視線がそれぞれ交差している。神と人間俗世界、あるいはウチとソトのせめぎ合いか。


《聖クリストフォロス》1500年頃
 ボスと言えば異形のもの。主役のはずの聖クリストフォロスよりも、周りの人ヘンなものたちに目が行ってしまう。徳利のような蛹のような小人のお家。羽の生えた魚、吊るされるクマさん、みなちっちゃいのでこれは図版ではよくわからないだろう。ぜひ現物に触れるべし。それでもちっちゃいので双眼鏡も必須だな。
 それにしてもむちゃくちゃな遠近法だ。まだこの技術も確立していない頃だろうけど。でもダ・ヴィンチとほぼ同年代なのか。



画像
 現物を隠し撮りしたわけではない。写真パネルだ。UFOみたいに飛んでいるのは写り込んでしまった館内照明であるw。


ピーテル・ブリューゲル1世 《バベルの塔》1568年頃
 入場から3フロア上がって、ようやくバベルの塔である。やはり最上階に置くのか。ひと目見てこりゃスゲー! とてつもない精密さだ。やはりホンモノの凄みを感じた。いつもの双眼鏡で覗いたら、ほんとにこんな高くて巨大な塔をドローン空撮で見ているようにリアルに感じられた…。

 まずは塔を構成する煉瓦?の質感が迫ってくる。そして塔にいる米粒の様な多数の人々やら滑車やらが今にも動き出しそう。このジオラマ感はフェルメール以来である。

 会場では周りにブリューゲル以前の画家の手によるバベルの塔がいくつかパネルで紹介されていた。しかしどれもちっちぇえし、カッコ悪い…。

 考えてみれば、現代に生きる我々はマンガやら(あるいはドラクエなんかでw)既にイメージを持っているが、それらはみなこのブリューゲルのバベルの塔が元ネタだ。彼の登場以前に、聖書の記述だけで天まで聳え立つ巨大な塔を想像するのは、よっぽどイッちゃった頭じゃないとムリだろう。

 館内で上映されていた「バベルの塔解説ビデオ」もとても興味深かった。必見である。東京藝術大学のプロジェクトが制作したというCGアニメが良く出来ていた。バベルの塔の絵の中に入り込んで塔の通路を歩けるなんて! ブリューゲルのイマジネーションの豊かさや正確さが改めて検証される。


 それにしても絵の前はフェルメール並みの人垣だ。会期初めのしかも夜間でこのおしくらまんじゅう状態とすれば、ピーク時には先が思いやられる。将棋倒しが起きて人混みになぎ倒され、「神の意志により、極東の地でバベルの塔は再び破壊されたのであった…」という事件の見出しがその内付くかもしれない。 いやホント大げさでなく。

 今後の閲覧はまた上野のパンダ方式(導線を前後二列にして前の列は立ち止まることを許されない)にされるかもしれないな。かぶりつきで見れるのは今のうちかもしれないぞ。少なくとも双眼鏡も必須である。


 時間が足りなくて他の展示、特にブリューゲルの版画はほとんどスルーしてしまった。でもどっかで見た気がするなと思ったらこれだった。

ブリューゲル版画の世界(Bunkamura ザ・ミュージアム)

 フィギュアまで買ってたじゃん。


 で、この美術館にはフィギュアならぬ着ぐるみがいたw。
画像



元の原画にはスネ毛ないじゃん…





 もういっかい見に来ようか、「バベルの塔展」は巡回するんだったかな…と調べると、

[会期]2017年7月18日(火)〜 10月15日(日)
[会場]国立国際美術館

 なるほど。大阪夏の陣も狙ってみるか。











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