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zoom RSS 生誕130年記念 藤田嗣治展 −東と西を結ぶ絵画−(府中市美術館)

<<   作成日時 : 2016/10/09 20:40   >>

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 実は夏に大阪行った時のデトロイト美術館展(大阪市立美術館)へ向かう途中で、「藤田嗣治展」@兵庫県立美術館のポスターを駅で見かけてたのだ。一瞬、足を伸ばそうかな(超強行スケジュール)と思ったけど、よくよく調べたら我が地元(隣町)府中市美術館に巡回してくると判明したのでこれ幸いとお待ち申し上げた上での待ちに待った当日。


 どうもここへは「生誕200年ミレー展 愛しきものたちへのまなざし」以来みたいだな。二年ぶりか。どれどれ入場料は1000円と安いな。しかも「京王パスポートカード」の提示でそこから200円引きだ!(地元の人しかわからんネタでスマソw) しかも半券持ってくと川村記念美術館のフジタ展が割引になるとか! 大盤振る舞い!(お前がケチだ)

 府中市美術館はそれほど大きな箱ではないし入場料からしてもそれほどたくさんの展示はないのではと予見したが、とんでもない、質量共にこれまで見てきたどのフジタ展よりよかったんじゃないか。初期作品から戦争画も経由して晩年の宗教画まで見事に網羅されてる。添えられたキャプションも実に丁寧で知らなかった事実も多く得られた(単に私が忘れてるだけかもしれないが)。

 国内のフジタ作品をかなりかき集めてきている。どうも公益財団法人平野政吉美術財団所蔵ってのが多く、どっかで聞いたなと思ったら、秋田のあそこか(行ったじゃんかよw)
ひところはフジタの回顧展を開くのがとても難しかったらしい。ぼちぼちわだかまりも溶けてきているのかな。川村記念美術館ではどんな感じになるのかな。


《婦人像》 1909年
 後に夫人となるガールフレンドを描いたらしい。いやまさに「湖畔ですよ」の黒田清輝師匠っぽい忠実な画報である。シロウトの目からすれば十分うまいのだが、後の超絶技巧を知っているものからすればかなり物足りないし小さくまとまりすぎているよカケフさん。
 実際キャプションに拠ればフジタの美術学校での成績は中くらいで平凡なものだったそうな。最初から学校でも優等生だった巨匠はピカソくらいなもので、それほど珍しい話でもない。

《スーチンのアトリエ》 1913年
 「エコール・ド・パリとは、西洋絵画会のトキワ荘である」との私の持論を裏付けるかのような一品。モディリアーニなんかもいっしょに住んでいたらしい。この絵はスーチンっぽく描いてるのかな。

《パリ風景》 1918年
 パリというより私が子供の頃の多摩センターの風景にしか見えない(またも地元ネタでスマソ)

《裸婦像 長い髪のユキ》 1923年
 ユキとはフランス人のおねえちゃんにフジタが付けたあだ名とのこと。それはいいとして、こに描かれるおねえさんの雪のように白い顔は控えめながらキュビズムの影響がないだろうか。左と右の顔がなんだかずれてる気がする。

《横たわる裸婦》 1927年
 ユキさん再び登場。ところがこれが細マッチョ(?)。腹筋割れてるよ。髪も短髪をなでつけてるし。男かよ。1927年だとまだ女性の地位向上だとかはあまり言われてなかったろうし、ちょっと同性愛的な雰囲気も匂わせていたのでは。

《裁縫道具のある静物》 1930年
 なんと、フジタはお裁縫も大の得意だったらしい! 恋人に自作の服を着せていた? でもなんか似合いそう。

《殉教者》 1934年
 謎作品らしい。モチーフはむろんキリストの受難なのだが、なぜか東洋人顔にしている。モデルは長州藩士の木戸孝允氏ではないかとの説もある。明治維新の頃に活躍した方で「るろうに剣心」にも出てきたとか…。Wikipediaで見る限り別にキリスト教と関係がなさそうだが。歌舞伎役者っぽい雰囲気なので、外人ウケ狙った遊び心だったかも。
 こんなこと当人に聞けばすぐわかったんだろうが、かなりの間日本画壇からハブにされてた関係で、墓場に持って行かれてしまった謎も多いのだろう。「素晴らしき乳白色」も門外不出の秘宝としていたみたいだし。


《五人の裸婦》 1923年
 おお、これは素晴らしい絵だ!と感動していたが、帰ってきて調べてみたら、東京国立近代美術館所蔵のこの作品は二度ほど過去の展覧会で見ている…。

MOMAT コレクション 特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示
東京国立近代美術館 60周年記念特別展 美術にぶるっ! ベストセレクション 日本近代美術の100年

 写真まで撮ってるじゃんかよw
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 肘を全開に上げたポーズはかの「アヴィニョンの娘たち(1907)」が念頭にあるのだろうか?

 なんて書いてるが(すっかり忘れてる。むしろジョジョ立ちか?とか思ってたw)今日見た限りでは裸婦さんたちよりも背後のカーテンの柄とかに目を惹かれた。彼女らの足元に乱雑に放り投げられたものでさえ存在感がある。浮世絵の美意識に通じるか。
 そしてキャノピーベッドを我が物顔で占領する猫ちゃん。西洋画で動物か登場するものは珍しくもないが、あんな訳知り顔の表情をさせるのはあまりないと思う。これも日本人らしい所だニャー。(ってまあ、『吾輩は猫である』は西洋の話のパクリなのだが)

《銀座コロンバン壁画 貴婦人と召使》 1935年
 ご存知銀座のコロンバンからの注文で製作した天井画とのこと。なんかゴヤっぽい作風。しかし…これはちょっと手抜きじゃないか…?

《猫》 1940年
 またお目にかかれたニャー! 初めてフジタを認識した(私にとっては)記念碑的作品。圧倒的な解像度、奥行きある画面、右端の消失点から湧き上がるようなネコたちの躍動感。後の「アッツ玉砕」との類似点が指摘されるも、こっちの方が平和だし(猫は必死か)断然いいニャー。
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《猫を抱く少女》 1949年
 ポスターにもなっている呼び物作品。現物はいやまあ色がきれいだこと。「素晴らしき乳白色」が更に進化を遂げたのだろうか。これ欲しいなムリですねハイ。

《パリ、カスタニャリ通り》 1958年
 ユトリロばりのパリの街並みだが、ユトリロよりずっといいぞ。壁や煉瓦の手に取れるようなリアルさ。コラージュじゃないだろうなw。絵の中に街があるよ。

 現在はこんな様子らしい。ほんと便利な世の中。



 いやお腹いっぱい。でもなんだ、よく見たら後期日程もあるのか。入場料安くても二度行ったら同じだな。姑息な手段だw(展示スペースの問題です、と好意的に受け止めておこう)。でも超オススメ!










アッツ島玉砕については後期見てまた触れようか。

戦争画リターンズ──藤田嗣治とアッツ島の花々
芸術新聞社
平山周吉


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