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zoom RSS 特別展 藤田嗣治の小宇宙 〜私のアトリエにようこそ〜(秋田県立美術館)

<<   作成日時 : 2016/04/02 13:35   >>

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 (青森彷徨からの続き)青森駅から乗り込んだ特急つがるは妙に揺れる。時々ケータイが圏外になるのも新鮮。秋田にはその昔、秋田出身の友人の結婚式で来たことがある。まだこまちとかなかった頃じゃないか。その時は飛行機移動だった。
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 駅は変わったのかな? って、あの時はほとんど使ってなかったもんな。
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 西へ進む。む?ここは通った覚えがあるぞ。
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 更に進むと美術館のある建物に辿り着いた。事実上の地域活性化センターみたいなものかな。なんか脱力系の地元PR動画。
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 美術館はここか。会場は二階らしい。螺旋階段なかなか素敵だね。疲れるけどぜぇハア。
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《秋田の行事》 藤田嗣治 1937年 365×2050
 これを見に来た。たしかブリヂストン美術館で見た「描かれたチャイナドレス─藤島武二から梅原龍三郎まで」で知ったんだと思う。

 なんとバカでかいこと! 予想以上。しかもシャガールの背景画より力入ってるぞ。そしてなんと15日で完成させたらしい。色塗りとかは手伝ってもらったっぽいけど二週間はすごい。

 絵まで距離もあるので細かいところまで観察するには双眼鏡が要る。持ってくりゃよかった。描かれているのは秋田の人たちにとっては懐かしの歳時記。伝統的な屏風画みたいに右から春夏秋冬の行事になってるのかとも思ったら、順番はともかくそんな感じみたい。

 会場入口にてNHK「日曜美術館」で秋田県立美術館が取り上げられた時のビデオを上映していて予習ができる。フジタは繰り返し秋田を訪れ、各時季の祭りを中心に様子を丹念にスケッチして構想を膨らませたそうだ。雪のかまくらに秋田犬、防空頭巾のような防寒具や子供を乗せる箱橇など日常品も細かく描き込まれている。

 興味深かったのが「梵天奉納」。閉じた傘のような巨大なぶっとい飾り棒をみんなで競って鳥居をくぐらせる祭り。ほお、棒を隙間にねじ込むのか…。やっぱりあらゆる神事で付きものの男根と女陰の象徴かもしれないな。

 世界で絶賛を博した洋行からの帰国後、日本画壇で(周りのやっかみから?)孤立してしまったフジタを援助した秋田の豪商平野政吉氏の恩に報いる形でこの作品はつくり上げられた。画中にも依頼主である彼の姿を登場し随分そっくりに描かれてる。ここは特に力入ってるのがわかる。レンブラントの頃と同じく、パトロンあっての画家風情でございますから。地方都市からの画家への援助ということでは北斎と小布施の豪商高井鴻山の蜜月の例なんかも思い出す。

 本作のそばには、製作現場となった平野家の米蔵のジオラマ模型と制作中の様子のスナップ写真も飾られていたのが興味深い。この時フジタは50歳。平野氏は不明だがずいぶんお若く見えた。

 会場には別の模型も置いてあった。フジタと平野氏にはこの絵専用の美術館構想があったらしい。まさに秋田の大富豪の特別待遇。もうフジタ神殿だ。けっきょく戦争などで資材入手が困難となり断念されいまだその構想は日の目を見ていない。

 だが話はもっとややこしいようだ。帰ってきてから調べてみると、《秋田の行事》はもともと近隣にあった旧平野政吉美術館の所蔵品。これが閉館し(建物はまだあるみたいだけど)、新設されたこの県立美術館に目玉作品として移設されたらしい。それにあたっては「歴史ある文化施設を守るべき」との守旧派と一悶着があった模様。

 けっきょく《秋田の行事》が収まることになったこの新しい美術館も事実上ほぼこの作品のみで持ってる施設ではないか。コレクションはどれも貴重だけど、数は少ないし館の収容面積も小さい。ざっとであれば30分もあれば全部見れてしまう。それならもともとの構想を実現してあげればよかったような気もする…。


 三階は企画展「藤田嗣治の小宇宙〜私のアトリエにようこそ〜」。なお二〜三階は吹き抜けでテラスからも《秋田の行事》を眺めることが出来る。ますます望遠鏡が必要だった。

 ここでは日本で点々とした藤田のアトリエをいくつかレプリカなど置いて再現している。これも小物とかよく揃えたな、と感心する。ゴヤの絵もあった。学芸員さんの力の入れように恐れ入る。

 フジタがコレクションしていたエスニックな仮面も並べられていた(なんかまた民博いきたくなってきた)。フジタもピカソやモディリアーニと同じく、その強烈な原始の個性に魅せられたエコール・ド・パリの時代の一員だと改めて認識する。


《優美神》 1946年-1948年
 いちばん目を引いたのがこの作品かな。パフュームみたいな三人娘。それよりも足元のお花たちがとてもきれい。抱一や其一を見るようだ。これは伝統的日本画の伝統かな。かつ、花の画家ルドゥーテの様に植物学的にもちゃんと描かれている。百合、ひなげし、桔梗、すみれ、たんぽぽ、カーネーション…おそらく全ての花の名前がわかると思う。ちなみにお花は後から描き足されたとか。

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(写真は記事と関係ありません)


 先のブリヂストン美術館で知った、ここにあるという《力士と病児》の続編(ほぼおなじ構図で違う作品を制作したという)はたぶん展示されてなかったと思う。《秋田の行事》を念入りに探したがそこにもなかった、と思う。











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