少佐の記憶-Memoirs of a major-

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zoom RSS 特別展示 再発見 歌麿「深川の雪」(箱根 岡田美術館)

<<   作成日時 : 2014/05/31 17:48   >>

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 初めて来た。ほとんど存在認識もしていなかった。…と思ったら去年の10月にオープンした新しい美術館なんだ。しっかし入場料が高い! 大塚国際美術館なみだよ。更に館内写真撮影等出来ないのはまあいいとして、ケータイ(タブレットも)の持ち込みも不可。なんと入場前に金属探知機でボディチェックまでする入念さ!! 事前に公式ホームページで見て知っていたから良かったものの、知らなかったらブチ切れて帰ってるところだ(●`ε´●)


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《深川の雪》 喜多川歌麿 江戸時代後期
 それもこれもこの歌麿の幻の作品を見るためである。

 晩年に手掛けた「雪月花」三部作のひとつということ。長らく所在が知られてなかった。まあ「行方不明」というのは嘘だろう。好事家の間では知れ渡っていて、ここに来て売りに出されたということじゃないのかな…。他二つ「月花」はアメリカにあるらしい。

 巨大な肉筆画である(縦199p×横341p)。この美術館は展示フロアが薄暗く、作品が星のようにライトアップされている。《深川の雪》はその大きさから入口から入ってすぐ目に付いた。横浜で見たドガのエトアールを思い出す輝かしさ。ここまでの大きさという先入観がなかったため一瞬印刷ポスターかと思った。

 前に立つと不思議な感覚に襲われる。だまし絵の構図なんだろうか。二階と一階があり得ない位置関係で表されている。そばで見ていた人はみな「どうなってるんでしょうねえ?」と首をひねっていた。ある人は「この廊下は上に上がっていくように坂になってるのよ」と話していた。スロープになってる回廊? そ、それはないだろww そんなバリアフリーは江戸時代にはないはずだ。画面中央やや右上に階段が隠れていると私は見るのだが。

*いや、公式ページで公開されているPDFの小さな画像で見ると人がいるところはすべて二階にも見えてきたな…。

 それよりも、やっぱりデルヴォーみたいに画家の夢想の中で混在している想像上の風景と考えるべきじゃないか。実際、デルヴォーの神殿みたいに本来なら襖や障子がある部屋が(寒いのに)開けっぴろげになってるし、霞か雲かといった本来地上にはないものが上下に配されてるし。


 しかし見ていて飽きない。ブリューゲルのフーゾク画みたいな楽しみもできる。童子、猫、雀、火鉢、薬缶、運ばれる料理(カレイの煮付け?)…当時の暮らし。

 テーマである雪の直接表現は枝葉に積もりつつある松の木と庇でのみ。松は途中でぶっつり切られている(松の後ろに梅がある?)。絵の構成上のことなのか、当時はそうするのが普通だったのか?

 ここは芸者屋敷らしいのだが、着物の柄や髪に刺している簪の数で各人のヒエラルキーは推して知れよう。ひとりとして同じ着物の柄はない。それぞれ思い思いの行動を取っている。画面中央、化粧に余念のないお姉さは、二つ折りのガラケーを裏っ返しに持っているように見えたが、どうやらあれは手鏡だな。同じものが右端の派手な着物のお姉さまの足元にもある。

 上唇は紅を付けているのに、下唇がみなさん緑色なのは何なんだろか?(これは現物を見に行かないとわからないと思う) 補色になってきれいだけど、緑の口紅なんて(意味矛盾してるし)聞いたことがない。( ゚д゚)ハッ! 雪が降るくらい寒いから唇紫になってるってことなのか?

*追加情報: ほんとにそういう口紅があったらしい! 「笹色紅」と呼ばれるもので、塗ると唇が玉虫色に光る当時の高級化粧品だったそうな。


 寒いのにみな裸足である。足袋を履く習慣もあったのではと思うが、これは、しっかりと着物を着込んだ江戸時代の女性が顔以外に肌を見せるチラリズムではないかと思う。

 更には腰を着き足元をはだけ裾を乱して大胆に股開いてるおねえたまも発見。そして少し離れた所からそれを向かいの廊下から覗きこむようなかっこうをしている同僚(?)。「姐さん、ちゃんとお手入れしてくれはらへんとありんす?」とか言ってるのだろうか?

 むむ、右端には袴を履いた女の子(男の娘?)がいる。うーん、男装の少女なのか、それとも女装をした男の子なのか? どんな「役割」なんだろうか。少年愛って大昔から武士の嗜みとしてあったとかいうしねえ。

 …などなど妄想じみてるが、至るところに艶小ネタを隠している気はする。そしたらおっぱいくらい誰か見せてくれてもいいような気もするが(やっぱりデルヴォーか?w)、当時としたらムリなのかなあ。でも春画はあったわけだし…。当時の基準がわからん。


《波千鳥》 葛飾北斎
 というわけでお待ちかねの(?)春画である。ここだけ別室になっていて「18歳以下の方はお立ち寄りにならないで下さい」。おお!これは本格的だ!ww

 それなりに有名な画集のようだが、うーん、これも北斎なのか? いろんな画風で描いた人だけど、北斎の春画も何枚も見たことあるけど、どれとも似ていない。ただ浮世絵としては画材やら摺り方やら着色法やらだいぶ凝ったものらしい(いつの時代もエロにはカネを惜しまない?w)

 連作の中に、紅い生地に小さな白い丸がいくつも付いた着物を着てくんずほぐれつの図があった。これタコの吸盤に見えるじゃないか。言わずと知れた北斎の有名作に、「タコと戯れる海女さん」がある。男女のまぐわう身にまとわりつく白丸付きの紅い着物はあのイメージそっくりなのだ。どっちを先に着想したのかな? タコの方は1820年頃らしいが、《波千鳥》がいつ制作されたとかのデータは美術館のHPでも出ていない(会場にはあったのかもしれないけどメモするの忘れた)。ググってもよくわからん。晩年の作ではあるようだが。


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 美術館は五階建て(だったかな?)でもう全フロア豪華絢爛秘宝揃い。横山大観やら抱一やら其一やら私の好きな日本画も多数展示されていてじっくり見て行きたかったが、歌麿をじっくり鑑賞していたら閉館時間の17時になってしまった。施設には足湯なんかも隣接されていて、そこも興味惹かれたが断念。またじっくり来ようか。


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