少佐の記憶-Memoirs of a major-

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zoom RSS カイユボット展−都市の印象派(ブリヂストン美術館)

<<   作成日時 : 2013/10/20 21:07   >>

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 ギュスターヴ・カイユボットなんて画家を知っていた人はそうはいまい。私だってあの東京京都で見たワシントン・ナショナル・ギャラリー展が初めてだ。だがあれから二年経とうかというのに、あのカヌーの絵の印象は未だ強く脳裏に刻み込まれている。その開催を知らせる駅のポスターを見つけて「カ、カイユボット展だと…」と即座に戦慄させた程。





 会場で最初に出てくるのが三枚の自画像。あまり自画像を描かなかった人らしいが、青年期から晩年の変遷がよくわかる。それほど長命ではなかったらしく、衰えのわかるのが哀しいが。

 カイユボットは印象派の画家達を資金面で援助し、自身は画家としてそれ程大成しなかった。それでも取り上げたテーマや技法はどれも同時代の画家たちを彷彿させるもので、美術の一大革命となった印象派ムーブメントに僕もちゃんと参加していたんだよ、と訴えかけられているような気がした。


《ピアノを弾く若い男》 1876年
 最初ピアノがちょっと寸足らずじゃないかと思った。だが会場にはなんと絵に描かれているものと同じピアノが展示されていて、ちょうどいい角度で絵と実物を見比べられるように配置してくれていた。してみるとなるほどほとんど見たまんまの忠実な構図になっている。
 でも作者が一番描きたかったのは磨き上げられたピアノに鏡面する演者の指であったり部屋の調度であろう。部屋の隅に置かれたピアノは隠れているはずの角の柱の続きを結果的に映し出す事によりまるで透き通っているかのような錯覚を起こす。


《昼食》 1876年
 印象派の画家は光に注目したり、絵自体のテーマというかメッセージは後回しにした節がある。この絵も昼食の席に集う家族(?)のドラマよりもガラス器をどれだけかっこよく描写することが出来るかに腐心している。人間よりよっぽど存在感があり、ガラス器の添え物として人を配置しているんじゃないか。構図もセザンヌばりにアヴァンギャルドで、なんなんだあの扇状に置かれたLPレコードみたいな白い大皿は?w


《ポール・ユゴーの肖像》 1878年
 シルクハットを被りステッキを抱え正装した男性等身大(?)の細長い絵。明るい水色の背景がこの人を空に浮かんでいるかのように見せている不思議な浮遊感。でも地に足はしっかり付いているのがアンリ・ルソーと違うところだww。体全体のバランスもよい。


《脚を拭く男》 1884年
 室内。湯船に脚を乗っけてタオルで拭く全裸男性。ドガのパクリだねきっと。でもドガが描いたのは女の人だったからよかったけど男はやめてくれちっとも美しくないわん。そっち趣味だったのかしら?


《ヨーロッパ橋》 1876年
 うむ、これはきっと北斎のパロディだろう。大胆な遠近法。橋の欄干をこれほどまでに巨大に描いた人はこれまでいないだろう。その「静」に行き違う通行人や犬で「動」を与え対比させ、更に欄干に持たれ川を見つめる男性の視線を対角に交わらせている。
 あ、会場では気づかなかったけど、欄干から川を眺める人を奥にほぼ同じポーズでもう一人置いてたんだ。


《見下ろした大通り》 1880年
 題名のまんま、アパートの二階か三階辺りから真下の街路樹を見下ろした大通り。誰もが見たことのありそうな眺めだけれど、これを絵にした人は見たことなかったな。あ、そうだ素人写真家が取りそうな構図なんだ(笑)。


《ペリソワール》 1877年
 英語名は Skiffs となっているな。ワシントン・ナショナル・ギャラリー展でも 《スキフ(一人乗りカヌー)》 となっていた。
 東京で見た時は女性が乗っていると気付かなかった。唇はルージュを塗っているのか紅いし、シャツの胸が若干膨らんでるからおっぱいあるんだな。みな黄色い麦わら帽子(?)を被っている。黄色い帽子は先の自画像もそうだったし、ふと思えばかのルノワールの 《ブージヴァルのダンス》(1883年)でもキーアイテムだった。
 ちなみに、添え書きに寄ればカイユボットさんは自作するほどカヌーバカだったらしい(?)。


《トルーヴィルの別荘》 1882年
 木陰と強い日差しの対比表現が鮮烈。ゴッホとは違うんだけど(実に健康的)。


《向日葵、プティ・ジュヌヴィリエの庭》 1885年
 なかなかクールなひまわりの群像。ゴッホとは違うんだけど(実に健康的)。


《セーヌ川に係留されたボート》 1892年
 やっぱり奥行きを作るのが好きな人なんだな。林立するマストが効いてる。


《猟鳥とレモン》 1883年
 静物画もレパートリーにしていたらしい。印象派の画家たちがスティル・ライフを画題に取り上げることもあったとは思うが、こうした狩猟された動物の死骸やレモンのヴァニタス表現はあまりイメージにない気がする。それにしても死骸なのに毛並みとかあまりに美しいな南無。


《ひな菊の花壇》 1892-93年
 ちょっと東洋っぽいか。ってかウチのふすまの模様に似てるww。菊の花が咲いているというか、緑の中に浮いてる。



<常設展示より>
ポール・シニャック
《コンカルノー港》 1925年 
 あ、こないだ感心したシニャックがあった(見てたはずなのにすっかり忘れてた)。舟シリーズだったのね。


(追記)
Twitterでのブログ更新告知をRTしてくれた方がいて興行側の関係者かと思ったら、個人ページみたい。きっちり研究されてる。すごいです。
http://caillebotte.net







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