少佐の記憶-Memoirs of a major-

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zoom RSS ポール・デルヴォ― 夢をめぐる旅(府中市美術館)

<<   作成日時 : 2012/10/28 21:10   >>

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 ブログの記録に寄れば私がデルヴォーを初めて見たのは「ベルギー王立美術館展」(国立西洋美術館)での「夜汽車」のようだ。先入観なしでみたその作品の吸い込まれるような世界観に思わず見惚れたものだが、後の「ベルギー幻想美術館」(Bunkamura)で彼が「マザコンでおっぱい星人」である事実を知ってからは見る目が曇ってしまったようだ。ここらで一度リセットせねば。(ちなみにデルヴォーは一度母の反対で諦めた初恋の相手と後年再会し、見事思いを遂げたということを後に知った。…チッ)

 本編に行く前に、この日府中市美術館では館長の井出洋一郎先生による「デルヴォー前夜 ベルギー象徴主義絵画」と題する講演会が開催され、滑り込みで拝聴してきた。先生はなかなか気さくな方で、各方面で美術ファンを脱力させた「夢にデルヴォー」も(別に先生が考えたものではなかろうが)「来場者の方に喜んでいただけるのならなんだってしますよ〜」と余裕の構えであった。

 ベルギーという国はヨーロッパ文化のいわば十字路である(公用語も複数あるみたいだし、侵略を繰り返されたヨーロッパの小国らしいことだ)。そういう背景から「写実と幻想」みたいな一見矛盾する作風が盛んになっていった。

 講演内容は盛りだくさんでまとめ切れないが、前衛絵画グループの「20人会」や怪人w ジョゼファン・ペラダンを中心にしたベルギー幻想絵画のよもやま話をスライドを交え(萌え絵も交えw)、楽しく講義いただきました。大原美術館の「万有は死に帰す。されど神の愛は万有をして蘇しめん」も見に行きたくなりました。ありがとうございます。


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 さて、展覧会へ。

《夜明け》 1944年
 最初の絵。デルヴォーという人、かなり絵の中の奥行きを気にした人じゃないか。この絵も通りを歩く女性とそれを神殿から覗くドレスの女性との対比で端正な遠近法を使っている。その一方で「あら? あそこにあたしがいる? …なんでまっぱなの??」みたいな雰囲気が幻想だな(違う?)


《若い娘のトルソ》 1933年
 初期の作品。幻想的というかむしろピカソの青の時代っぽい。習作っぽいところも余計に。他の習作も見たが、あの人の作風似たような顔ばっかりなので、お人形さん見て描いていたのかと思ったら、ちゃんと生身のおねえさんも上手に描いていた(当たり前か)。


《行列》 1963年
 奥行きという意味ではこれが最高。こんなお姉さん方が皆で僕のことをランプ持って迎えに来てくれたら最高だろうなという幻想(?)。あまり言われてないようだけど、デルヴォーってアンリ・ルソーもちょっと入ってる。この絵でも、けっこうどうでもいい部分(樹木や小物)を詳細に描き込んでいるところにそんな雰囲気がある。


《エペソスの集い2》 1973年
 乳首と乳首が触れそうで触れないぎりぎりのエロスリル(そんな事考えるの私だけか)。赤い長椅子(?)に乗せられた生贄(?)の少女。更には丸い手鏡を持った着衣の女性が登場する。幻想の世界で鏡をくぐると元の世界に戻るというのはファンタジーでお約束な設定だがここではどうだろう。


《トンネル》 1978年
 晩年の大作。老成しておっぱいに飽きてきたのかお姉さんの着衣率が高くなった。姿鏡の中の女の子は過去の自分だろうか。幻想というより詩情性が強くなってるかも。


《夜の使者》 1980年
 制作年を見て驚いた。つい最近までご存命だったのね(1994年96歳で没)。晩年は目を患ったそうで、そう聞いてから眺めると、どうも指で絵の具を塗りたくったようにも見える(画材は油彩)。ドガがパステルを選んだのも絵筆に比べて指と画用紙の距離が近くなることもあったのだろうか(発色がいいからと聞いたが)。








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「ポール・デルヴォー展 夢をめぐる旅」@浜松市美術館
 浜松で用事のあと、ちょっと時間があったので浜松市美術館で開催中の「ポール・デルヴォー展 夢をめぐる旅」に飛び込んだ。閉館まで1時間ちょっと… でも、点数もさほど多くなかったのと、時間的に空いていたこともあってじっくり見ることが出来た。 ...続きを見る
静岡始めました
2013/06/16 16:45

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
浜松でやってたので、行ってきました。
「デルヴォーってアンリ・ルソーもちょっと入ってる」は私も感じました。
彩季堂
2013/06/16 16:43
おお古い記事にありがとうございます。ほとんど忘れていた内容です。そうか長いこと全国行脚してたんですねえ。
トラックバックはすいません、二回送ってもらっちゃったみたいですけど、スパムが多いのでいったん停めるようにしてますので。しかしトラバはもう流行らないですねえ。ブログ自体もうかなり落ち目だけど。ま、個人の日記みたいなお友達関係にしかウケないようなのはSNSに行って、人脈とあまり関係ないかつちょっと専門的な濃い情報は個人メディアとしてブログ発信という棲み分けになっていくのかな。そういう意味では淘汰されて洗練されてよいことなのかも。
少佐
2013/06/16 17:54
あ、TB、やっぱり2回送ってましたか。表示が出たんでポチッとしたんですが、大変失礼。
ブログとSNS、加えて勝負の早いツイッターみたいな棲み分けでしょうかね。ブログは匿名ならでは面白さがあるんでSNSへの移行は考えてません。
別のメディアでは実名アカウントを使ってますが、そっちは気を遣ってしまい、疲れます ^^;

ところでスパムは多いですね。さっきも、電波系のコメントが届いていたので、速攻で削除しました。
彩季堂
2013/06/16 20:48

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