少佐の記憶-Memoirs of a major-

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zoom RSS ジェームズ・アンソール−写実と幻想の系譜−(損保ジャパン東郷青児美術館)

<<   作成日時 : 2012/09/30 15:03   >>

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 アンソールの事を知ったのはもちろん中野先生の『怖い絵3』だ。そこで紹介されていた「仮面にかこまれた自画像」はなぜかキング・クリムゾンを思い出させ印象に残った。改めて確認すると「ポセイドンのめざめ」のジャケットが頭にあったのだな。そしてよくよく見ればちっともアンソールに似てない…(笑)。




 中野先生によればアンソールという画家、相当イヤな奴だったらしい。結婚もできず友人もおらず親の庇護を受けながら田舎に引きこもり続けていたニート野郎だったそうな。仮面は顔に虚構の顔を上乗せするようなものだから、その仮面姿を絵という虚構に描く行為とは、二重の虚構を作り上げることになる。そこまでして自分を守りたいか。どこまで引きこもってやがるんだ(ああ人のことは言えないよ)。


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 今回の企画は、アントワープ王立美術館の改修のお陰でいろいろ来日してくれたのか。ヘタしたら主役のアンソールよりいいんじゃないかというくらいレベルの高いオランダ・ベルギー絵画もいっしょにやってきてくれてた。そっちを先に紹介する。


エグロン・ヘンドリック・ヴァン・デル・ネール 《訪問》 1664年
 超絶技法の衣服と床の幾何学模様。日本にフェルメールが来るとよくいっしょに同時代のオランダ絵画も付いてくるのだが、あんまり似たようなのがたくさん来るので展覧会ではついつい飛ばしてしまう。一点を集中してみればその匠の技にはやはり圧倒される。ただし、宗教がかった表情と身のくねりを見せるおねえさんは、解説にあったようにこれは日常の一コマを描いたフーゾク画なのに、なんでそんな顔つきとポーズを取らせているのかはよくわからない。


アルフレッド・ステヴァンス 《絶望的な女》 11875-80年
 いやはやほんとに絶望のずんどこにいるおねえさん。画面全体で絶望を後押ししている。きれいなドレススカートも雑巾のよう、照らすランプもしょぼくれている。(絶望の元になった?)手紙を持って力なく投げ出した左手は生気がなく石化したみたいだ。明らかに右手と色が違う。白い手袋をしている訳じゃないよね?(片手手袋じゃマイケル・ジャクソンだよ) 


アンリ・ド・ブラーケレール 《食事》 1885年
 アンソールのヒーローの一人だったらしい。アンソールも後に同じようなモチーフで女性が牡蠣を食べる絵を描いている(それを酷評されて引きこもってしまったらしいが)。豪華な居間で優雅に食事を摂る貴婦人。タペストリー調というか画素の粗いカラー写真という感じで面白い。
 壁にスナップショットっぽい小さな絵がいくつか掛けられている。燭台の後ろにあるのは髪型が違うものの今めし食ってる女の人だろうが、描かれているのは肩越しの後ろ姿なんだよね。写真ならわかるけど(この時代に写真はともかくカラー撮影はないだろう)肖像画でどうしてそんなアングル取るんだろ? ハリポタのアニメーション肖像みたいに中で動きまわるのだろうか?w もちろん本当は同じポーズの相似形を大小並べて画面に奥行きをもたせる工夫と思うが。


ジェームズ・アンソール
《花と野菜》 1896年
 さてようやく主役のアンソール。スティル・ライフ作品…なんだろな。ピンクと緑を使っているところからなんかドニらのナビ派を思い出してしまう。垂れ下がったひまわりは野菜を照らす太陽のつもりだろうか。ゴーヤ? 節くれ立ったオレンジ色の柿? うーむ、意味不明だ。


《シノワズリー(または大きなシノワズリー、団扇と織物)》 1880年
 御多分にもれずこの時代の芸術家らしくジャポニズムにもかなり影響を受けたらしい。例によって中国との区別は付いていないようだが(笑)。シノワズリーったって、これはどう見ても日本のうちわだよね。


《日本の木版画の模写 "武者"》 1885年
 小さなデッサン。これはなかなか上手に模写されている。これなら更に進んで日本の妖怪や異形の者の絵も見てくれればかなり参考になったのではと思ってたら、実際後の仮面の絵は(日本だけではなく多国籍にだが)かなり影響を受けていたようだ。


《陰謀》 1890年
 今回展示されている中では一番の呼び物だろう。見終わって階下で上映されているアンソール紹介ビデオで知ったが、これ結婚式の様子なのね。祝祭の集いにして腹に一物持った他人の邪心に取り巻かれ、無表情の仮面からでも内心の戸惑いがこちらに伝わる。赤黄緑を基調にした配色で多国籍のペルソナが蠢く。赤い服を着た太ったおばさん(?)が肩にぶら下げているのは日本のこけしみたいなこどもだな。主人公(?)の視線の先にこのこどもがあるのはなにか意味があるのだろうか。


 残念ながら今回アンソールの代名詞である仮面やドクロの絵はそれほど展示されていない。初期のクラい色調の絵はほとんど興味がわかない。『怖い絵3』で紹介されていた「仮面にかこまれた自画像」は日本のメナード美術館にあるのだから、ついでに貸し出してくれればよかったのに。愛知県にあるそうだけど、確認したらあそこかなり遠そうなんだよね。


 損保ジャパン東郷青児美術館42Fからの眺め。やっぱりジオラマ写真はおもしろいな。
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 何度も来ているけど、新旧両タワーが一度に見えるとは知らなかった(クリックで拡大)。
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 ちょうどここの窓は東向きなので、満月の日とかいい写真撮れそうだな。








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