少佐の記憶-Memoirs of a major-

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zoom RSS Edgar Degas ドガ展(横浜美術館)

<<   作成日時 : 2010/09/26 16:03   >>

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 美術展行きまくりだったひとりシルバーウイークのラストを飾るのはドガ。五月頃から駅に張り出されたポスターで、本当にこれが来るのかと驚いた「エトワール」。美術の教科書に必ず載っていた名作。『怖い絵』シリーズで語られた記念すべき最初の一枚でもある。あれだけ踊り子を愛したドガは稽古場等での気の抜けた様な仕草を描くばかりで彼女らの本気出した晴れ舞台を描くことは実は稀だった。何か屈折した偏愛があったのだろうか、と中華街の汁物攻撃でがぼがぼになったお腹で考えた。


 最寄りはみなとみらい駅。地下ホームより上がると不思議な花束に気づく。横浜ゆかりの長谷川潔《花束》という作品らしい。
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 平日&会期始まってまもない事もあるのか混雑はほとんどない。ここは毎回展示リストがなく不満なのだが、今回はちゃんと用意してくれた。進化してるね横浜美術館。
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《画家の肖像》 1855年
 「絵? ふっ、僕にとって絵を描く行為なんてあくまで単なる手遊びですよ」とでも言ってそうな不敵な表情を浮かべタキシードに身を包む自画像でドガは我々を最初に迎えてくれる。ドガはマネなんかと同じくブルジョア階級の出自。金のために絵を描くなんて考えられないね? 最後までそうだったかどうかは知らないが。大体道楽息子は親の財産喰い潰すから。


《トキと若い女》 1860-62年
 ジャポニズムなんだろうか。トキは英語で Ibis。エジプト壁画にも確か出てきたというから日本(アジア)固有の鳥でもないのかな。フラミンゴ色のトキと深緑のショールに身を包んだ女性との対比にオリエンタリズムは感じる。


《障害競馬−落馬した騎手》 1866年
 デカい。ちょっと違和感を覚えた。さもありなん、この時代大画面にしてよい画題は歴史と宗教画というのがアカデミーの不文律(で〜っけえりんごと水差しの絵とか見たことないでしょ?w)。競馬なんかでこんなでかい面するなんて生意気な!とけっこう波紋を呼んだらしい。それはともかく、落馬した騎手の苦悶の表情と並走するライバル騎手がそれをまったく意に介さず競技を続けるべく冷たく無表情で走り去る対比に後の「エトワール」での華やかな踊り子の影にいる謎の紳士みたいな構図を見つけた。


《田舎の競馬場で》 1869年
 浮世絵の影響からか、馬車の下部をばっさり画面から切り捨てる斬新な構図らしい。なるほど、この時代メインの描写物は画面に全部納めなさいと習うだろうからね。センコーの言う事なんか信じるな!ってロッケンロールしてるぜ。


《エドモンド・モルビッリ夫妻》 1865年
 あ、これこないだボストン美術館展で見た。何ヶ月日本にいるんだろうこの夫妻?w


《立っている二人の男》 1867年
 これは習作だよね? 右側の男は顔もないし半透明だし、幽霊じゃないかw。これで完成品ですとかいわれたら「シュルレアリストに宗旨替えしたの?」と聞きたくなる。


《マネとマネ夫人》 1868-69年
 態度悪くソファに寝そべってクダでも巻いてそうなマネとその横で(ピアノを弾いている?)マネ夫人。夫人は壁にでも隠れているのかと思ったら、なんでもマネが自分の夫人の描かれ方が気にいらないと、絵の右側をちょん切っちゃったらしい(後でキャンバスを継ぎ足したそうなのでそこだけ布地のブランクになっている)。
 ん?どっかで聞いた話だなと思ったら、そういえば自分の闘牛士の絵も上下半分こに切ってたよねこの人w(三菱一号館美術館の「マネ展」で見た)。切るのが好きなんだ(笑)。切り裂き魔マネ!(笑)。それにしてもこれ北九州にあるのか。切られた分値が下がったか?w


《14歳の小さな踊り子》 1822年
 次の展示会場に入り迎えてくれるかわいらしいバレリーナ。ドガの生前正式に発表された唯一の彫刻作品らしい。でもこれ悪くない。とっても可憐でよい。もっと作ってたら彫刻家としても大分評価されただろうと思う(実際はこれレプリカらしいんだけど)。髪のリボンやスカートは本物の布を使っている。ちなみに下から覗いたらパ○ツは履いてないようだった…す、すいませんバカで(いつかタイホされるな)。で、でもおばちゃんとかみんな下から見上げてたけど…。


《エトワール》 1876-77年
 彫刻を過ぎ、デッサンの習作が並ぶ壁が終わり、順路に沿ってさて右に折れると不意打ちのように突然現れるエトワールに驚いた。下から淡いLEDライトで浮き上がらせる演出のせいもあるのか、手足を高く伸ばしたバレリーナは不思議に鮮やかな蛍光塗料でも使ったかのように自ら光を放っていると見紛う輝きを誇っていた。
 ドガがパステルを使用し出したのは自身の眼の障害のためだったそうだ。油絵の具よりも発色に優れ、弱視でも色の確認がしやすかったとか。ただパレットで色を混ぜることが出来ない。点描画と同じく見る人が脳内で色を混ぜてくれるのを期待して配色していく手法となる。
 『怖い絵』で書かれていたような直接的な表現はされてなかったが、館内の解説でも踊り子のパトロン話は出てきた。しかしこの絵の場合、パトロンがなぜ舞台袖にいるのだろうか。お金持ちは貴賓席にでも陣取っていればいいのに。まあ、ともかくああいう華やかな商売にパトロンや仕掛け人は付き物だ。今で言うAKB48みたいなもんだからな。するとあの謎の紳士は秋元康かw。
*後々話を聞くと、あれはやっぱり現実にあった風景で、パトロンたちは舞台裏の練習場にも足しげく通ってお好みのおねえちゃんを物色していたらしい。そ、そこまでガツガツしてたんかい…。


《バレエの授業》 1873-76年
 これもいいなあ。わかりやすい遠近法の画面。赤緑黄の華やかなリボンの色。杖(お仕置き棒?)を突いて偉そうなじいさん先生の説教聞きながら背中ぽりぽり掻くバレリーナ。しかしあの左の緑のリボン付けた子は何を持ってるんだろうか。扇?もしやハリセン?!(笑)。そしてこの二人に挟まれて狭い間からちらっと顔が見えるだけの子がまた特段に綺麗。…やっぱり偏愛してるよドガおぢさん。ところで左下隅にジョウロを発見。何に使ったんだろうねえ??


《美術館訪問》 1879-90年
 初めて見たがなかなかの秀作である。背景をぼかして中心となる女性二人を際立たせているとか。ひとりは長椅子に座りもうひとりは立って絵を鑑賞している。二人の女体は有機的に絡み合い、至る所に△の構図が隠れている。全体的には瓦みたいな文字に抽象化される(わかるかな?)。
 でもこれ隣に飾ってあるエッチング作品《ルーヴル美術館考古展示室にて、メアリー・カサット》(1879-80年)と合わせて見るとまた非常に興味深い。画家の戦略が見えてくるのだ。エッチングに出てくる女性のとるポーズ自体は油絵版と同じ。しかし向きが違う。それをドガはちょうどCGのポリゴン操作をするようにひとりひとりのポースはそのままにぐるりと回転させて違う角度から描き、二人の位置を入れ替え、背景の考古展示は小物が多く画面がうるさくなるから、壁にかかる大きな絵を見ているように変更した。後に出てくるようにドガは蝋細工の彫刻を習作用に作っていたというから実際モノを作ってあれこれ構図や配置を変えてみるとかしていたのではないかと思う。


《浴盤(湯浴みする女)》 1886年
 小さな盥に身を丸めてうずくまり左手をついて体を洗う裸婦。絵を見る人はちょうど頭上の窓から覗き込むような位置になる。現実の世界でこんな写真を窓から撮ったら間違いなくタイーホであるのにゲージツならば許される不思議。実際アカデミーからは(下世話であると)かなり怒られたらしいがw。後頭部に手を回しているのはポニーテールの髪をつかんでいるのかと思ったら洗うスポンジだったのねw。ところで、画面を大胆に分断する棚もけっこう斬新だ。そして棚の上の二つの水差しは裸婦の姿と相似形になっていることに後で気づいた。ところでこの棚の構図はさっきのマネがちょんぎったキャンバスにヒントを得たのではないか?(笑)。


《浴後の朝食》 1894年
 体を洗う裸婦については上の絵で完成かと思ったらその後もまだまだ描いている。しかしどれも後ろ姿が多い。背中フェチなのかおしり星人だったのか。中でも極めつけがこの絵。ひとっぷろ浴びて体を屈めて拭いている女性の背後に女性使用人がコーヒー(?)持ってやってくる。「まあ奥様!丸見えですよ!」(だってそう言ってるように見えるんだもん…)

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《浴後(身体を拭く裸婦)》 1896年
 ドガののぞき趣味(爆)からすれば、写真に興味が向かうのも自然なことだったと思う(?)。この絵は一度モデルにポーズを取らせそれを写真にしたものを元に制作された。元になった写真も横に展示される。しかしなにがどうしたらこんなポーズで体を拭くのだ? ソファベッドみたいなのに片膝付いて横に体を預け、身悶えるがごとくわき腹をゴシゴシ。そういえばうちのワンちゃんもよく芝生に体を擦りつけて汚れとるな(違う?)


 最後、発表されなかったドガのブロンズ彫刻の数々と遺品が展示される。バレエシューズとか目を保護するサングラスとか見ている内になんとなく物悲しくなってきた。合掌。


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 横浜美術館は常設展も何気に充実していて、シュールレアリズムの名品が特に目を引く。毎回見学していくが、今回ふと壁の「禁止マーク集(?)」のカメラマークに○が付いている事に気づいた。お?もしやと思って天敵の係員さんに訊いてみると「フラッシュなしなら撮影OKです。あ、ケータイでなくちゃんとしたカメラを使ってください」とのこと。ケータイのバシャバシャ音はほんと耳障りだからね。それでは、と思う存分撮ってきた。


《幻想的風景 暁、英雄的正午、夕べ》 サルバドール・ダリ 1942年
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 やはりこの大作が一番の見所。
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《ガラの測地学的肖像》 サルバドール・ダリ 1936年
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 ガラスが入ってる額は映りこんじゃってダメだね。



《花と蝶》 ジョアン・ミロ 1922-23年
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 不思議な花瓶。あんまりミロっぽくないかな



《王様の美術館》 ルネ・マグリット 1966年
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 わかりやすいマグリット



《階段》 ポール・デルヴォー 1948年
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 やっぱりお姉ちゃんと神殿



《少女が見た湖の夢》 マックス・エルンスト 1940年
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 隠し絵なのか?



 しかし太っ腹だぜさすが横浜! なんとか谷とは大違いだ! (最下位だけど)ベイスターズ応援したくなってきたよ。俊輔好きだから元々マリノスは応援してたしw。また来るぜ!









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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
応援して下さいベイスターズ…(;_;)
それはともかく常設展がさすがですねぇ。ダリとかマグリット、エルンスト好きなんで常設展だけでも見に行きたいっす。
Sphere
2010/09/26 19:27
ベイ、今日は勝ったじゃないですかw
横浜もいいでしょ? やはり関東方面に来る運命なんですよ、ふふふふふ。
少佐
2010/09/26 21:38
こんばんは。
疲れ気味の中、少佐節を聞いていたら(ほんと、音声が感じられた)ふっふっふっと元気が出た来ました。
「また来るぜ!」と、苦みばしった男の後姿を残してきたのですね。
ドガかあ・・・みたいなあ。
姪と甥が横浜にいるので、年内までには行けるかも。
七海
2010/09/28 23:51
ふっふっふ、また来るぜの啖呵、実はせっかく買った前売り券を例によってやっぱり忘れてしまったのですよ。行かざるをえないのね(T_T)
ようやく最近学習したのだけど、美術展って会期後半になるほど混むようなので来浜はお早めにw。
少佐
2010/09/29 21:43
ふほっふほっふほっ。
関係ないコメントですが、彼岸花のアップがいい。
そっかあ・・・おしべ、めしべの先っぽを散らすといいんだ。いい風情ですね。

少佐さんの前では、花が一瞬、本性をみせるのね。
七海
2010/09/29 22:47
ふふふ、これ実はちっとも風情のない裏のドブ川の土手で咲いてたヤツなんですよ。去年の記事で使った使い回しです。
http://syousanokioku.at.webry.info/200909/article_11.html
少佐
2010/09/30 21:24

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