少佐の記憶-Memoirs of a major-

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help リーダーに追加 RSS 『経営戦略を問いなおす』(三品 和広)

<<   作成日時 : 2007/09/07 23:28   >>

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 言うまでもなく、私がここで書く書評まがいのものを信用してはいけない。大体が本の紹介よりも勝手な暴言の方が多いのだ。それもその本の趣旨でないことに文句を付けている。例えるならイタリアンのレシピ解説本を評して、「和食の心がわかっていないっ」なんて書くようなもので、言いがかりを通り越して公害の域に達している。読書案内には全く不向きだ。今日の本に関する駄文も十二分にその資格を有する。

 日本企業への苦言提言をまとめた一冊。企業教育に長年従事してこられたという著者はかなり頭のいい人という印象。文章は明晰。データもきちっと整備されているのもすごい。まず指摘されるのが、世界中で評判のよい日本家電業界だが、ほとんど儲かっている企業がない事実。

 企業分析をしていると常に思う。問題点を突き詰めていくとその会社の素の姿があぶり出されるに過ぎない。それを突き詰めていくと最終的にその会社のタブーに触れる。どうしてオレはこうなんだろうって? だって自分でそうしてるんだもん。それをやめたら自分が自分でなくなってしまうのだ。わかっちゃいるけどやめられない。

 どうして売っても売っても利益が出ないのか? 要するに余計なことをしすぎているのだ。例えば自己満足的な誰にも使われない高機能。社員に対する手厚過ぎる福利厚生。だがそれらは日本企業が世界的に評価を受ける日本企業であり続けるための諸刃の剣。単純にやめればよいことではない。また日本人には「人様より儲けるのは罪」という思いこみがあるのではとも何となく思う。キリスト教原理で出来ている資本主義において、儲けることは神の名において正しいことなのに。

 実際企業の中に入りこんで指導しているだけあり、ああ、それもある、これもあるなと思わせる日本企業のよくある実態が出てくる。特に強く非難しているのが、日本の経営者は重要な意思決定を避けたがり、部下に任せてしまう傾向。彼らにいわせれば「ここで私が決めてしまうと部下の成長につながらない」みたいないいわけもあるんだろう。んじゃあんたは(高い給料もらって)何のためにいるのか? 名誉職か?

 後半は人生訓みたいなものが中心となる。スキルばかり磨いてもダメだ、最後には人格がものをいう。仰るとおりだが「リーダーとはかくあるべし」なんてお説教を賜ると「けっ、世の中そんなきれいごとじゃおさまらねーんだよ」とか悪態つきたくなることもしばし。ビジネス指南で心の問題に着手するのは一歩間違うと非常に危険だ。ゆえに、後半を読み進める内に、「エリートでなくて悪かったな#」とだんだんむかついてきた。

 ところで、高収益企業に働く人は果たして幸せなのか? そういう会社は得てして仕事が異常にきつく、得るサラリーのコストパフォーマンスは微妙だ。売上がでかくても収益率の低い企業は悪なのか? それは会社の利益を圧迫して(余剰人員と誹られる)多くの(優秀でない)一般大衆従業員を養うことで大きな社会貢献をしている証ではないのか?









経営戦略を問いなおす (ちくま新書)
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