少佐の記憶-Memoirs of a major-

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zoom RSS スーパーエッシャー展 −ある特異な版画家の軌跡

<<   作成日時 : 2006/11/18 14:37   >>

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いつまでも尽きることなく水が流れる水路昇りきれない階段また影から鳥へ鳥から影へと見る人の気持ちによって移り変わるだまし絵と言えばエッシャーと言えばだまし絵と言われるほど彼の功績はいつまでも終わらないその表も裏もないメビウスの輪のような時空を超越したある種奇怪なサイクルで抜け出すことの出来ない永劫回帰というかニワトリが先か卵が先かの問題のようにそのねじれはリンゴとバナナどっちがミカンのような不条理的なぞなぞと同じくいつまでも(先頭に戻る)


 また週末の渋谷BUNKAMURA。入館し、エッシャーのラビリンスに浸っていると、女性がすすすと寄ってきた。何だ、サインなんかしないぞ(このデジャヴもエッシャー効果か?)と思ったら「お客様、NINTENDO DSはタッチペンで扱ってください」とのこと。バイトの警備員だ。は?

 実はこの展覧会、DSを無料で貸し出してくれる。無論ゲームではなく展示してある絵の音声解説ソフトが入っているのだ。順路に沿って小さな両画面に数十点エッシャーの絵が映し出され、部分拡大も出来る。なかなかよくできていて面白かった。DSを触るのは初めてだが、タッチペンで操るモバイルパソコンを以前使用していた経験があり、当時から私はいつも爪で液晶画面を押していた。キーボード打つときペンを置く必要もないから便利でしょ? でもマニュアルに寄ればそれは(画面を傷つける恐れがあり?)御法度のようだ。

 なにぃ、私の爪はタッチペンのプラスチックよりも鋭利だってのか? ふんっ、もうこんなの要らないよ(-公-) たたきつけて返そうかと思ったけど新聞の見出しになるのも困るのでぐっと堪えた(実際DSばっか見て目の前にある絵に集中しづらかったから使用を止めた)。どうも美術館の警備員のおねえちゃんと私は相性が悪いらしい。

 初期のエッシャーはけっこう普通な風景版画を制作していた。でも後のだまし絵の印象が強いだけになにか別の絵が隠されているのではという目で見つめてしまう。しかしリトグラフってこんなに精密な表現ができるんだな。昔ダヴィンチの素描画展を観たとき以来の質感だ。

 エッシャーはバッハの音楽を好んでいたらしい。その正確で数学的な形式が自分の目指す作風と呼び合ったのだろう。会場には「インヴェンションとシンフォニア」が低く流れていた。今日エッシャーの循環模様的作品を見てほとんどの人が連想するのがコンピューターグラフィックスだろう。途中3DCGを使ったエッシャー作品の「ネクストラックス」(製品名?)と呼ばれる再構成企画があった。大きなモニターに例の魚やジャングルジムのような鉄筋建築の絵が映し出され、画面に触れて指を滑らせるとその動きに反って見る角度が変わっていく。これはタッチペンは要らないようだ(しつこい)。こういうのはゲームなどでお馴染みなので、だからどうしたという感じ。エッシャーが今のテクノロジーを知ったらどんな作品を作るだろう? もっとぶっ飛んだ発想をしていたに違いないが。

 ルソーは遠近法が描けなくて不可抗力で不思議な世界を演出したが(爆)、エッシャーのだまし絵はその技法を知り尽くした上でないとできないもの。今回最も気に入ったのは「上と下」と題された一品。縦長の構図で階下から見上げる視点が屋上から見下ろす視点にすり替わるトリックが秀逸なだけでなく、なぜかノスタルジックな印象をおぼえた。基本的に白黒の濃淡だけで表現される版画はより見る者の想像力を引き出す効果もあるからだろう。

 出口近くに雑誌「少年マガジン」の古いバックナンバー数点が飾られていた。表紙にはコント55号、メキシコオリンピック、ローラーゲーム等々。私にリアルタイムでの記憶はないが当時が偲ばれて見入ってしまった。DSの解説に寄れば(使ってるじゃん)当時の編集長がファンで特集を何週か組んだらしい。あしたのジョーや天才バカボンと並んでエッシャーの絵が掲載されていたと知るのもまた不思議な感じだった。

 余命短いことを悟ったエッシャーが意図的に最後の作品としたのは、ヘビの曼荼羅模様の様な版画。特にだまし絵の技法は取られず、正攻法のアプローチ。曇りないビーズのような爬虫類の6つの目は悟りきった境地なのか。ヘビは(悪)智恵の象徴だったはず。そういえば葛飾北斎の遺作は龍だったっけ。

↓ヘビの絵はこれ







 貴重な制作シーンを見ることの出来るDVDも出ているようだ。
M.C.エッシャー
M.C.エッシャー [DVD]

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
展覧会もなかなか技術革新しているのですねぇ。でも私は指が細くないのでDSは爪で操作できないかも・・・
エッシャー展は遠い昔に行ったことがありますが、そのとき買ってきた滝の絵と無限階段みたいな絵のポスターをずっと自分の部屋に飾ってました。また札幌でもやってくれないかな〜。
sphere
2006/11/21 20:22
2008/12/26、2年以上未来からのコメントです(笑)

その時代の「少年マガジン」に載っていたのか・・・
私のエッシャー好きはこの辺が原点だったかな。あんな絵を子供が見たらビックリしますよね。
それにしても少佐殿は昔から学芸員さんとは相性が悪いですねえ。 さては余程人相が・・・(笑)
彩季堂
2008/12/26 11:39
遠い未来からようこそ!(笑)。いやいや、(みんなそうかも知れないけど)むしろ私は見知らぬ人から声掛けられること多いんですよ。シャッター押して下さいとか、道教えて下さい(含ガイジン)とか。たいがい「知りません」と冷たくあしらうのですが、どうしても絶えません。よっぽど人を惹きつける美貌を持っているのだろうか? 美しいって罪なのね(自己陶酔中)。
少佐
2008/12/26 23:24

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