少佐の記憶-Memoirs of a major-

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zoom RSS ピカソとモディリアーニの時代@Bunkamura

<<   作成日時 : 2006/10/21 23:08   >>

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 渋谷。あまり好きな街ではない。どこも劇混みな東京だけどここは特に酷い。しかも花金(最近言わないね)。東急Bunkamuraに前回来たのは一体いつのことだろうか。美術館が地下階にあることもすっかり忘れていた。

 「ピカソとモディリアーニの時代」と名打たれた展覧会。でも入ってみればこの二人以外の作品も(の方が)たくさんあるじゃない。よく見りゃ「リール近代美術館所蔵 ピカソとモディリアーニの時代」と書いてあった。看板に偽りありでもないんだけど、「リール近代美術館展」じゃあ確かにイマイチだろうなあ。リール近代美術館はヨーロッパ近代美術作品を多く所蔵していることで有名なところらしい。最初に迎えてくれたのはブラック。ポーラ美術館の時にも書いたが私はキュビズムがよくわからない。特にブラックさんはちんぷんかんぷん。

 いつぞや外国の展覧会で、とある抽象絵画が会期途中まで逆さに飾られてて失笑を買ったとかいう記事を見たことがあるが、ブラックの絵を見ているとそういうのもあるだろうなと頷いてしまう。そもそも「ルネサンス以来の遠近法を捨て去る」という反逆精神から生まれてきた絵画技法だから「絵に向きなんかあるもんかい」ってのもありなんじゃないか?

 ようやくピカソが出てきた。「楽器と頭蓋骨」。主題は「ヴァニタス(はかなさ)」と呼ばれるものらしい。骸骨を置くあたりメメントモリ(死を忘れるな)と関係があるのかな。楽器(音楽)もすぐ消え去るものなので描かれるそうだ。

 レジェ。美術の教科書で「へのへのもへじ」みたいな適当な顔描いた人という印象しかないが、「花束を持つ女」は思わず足が止まった。妙に気に入ってしまった。きついブラッディオレンジ色の背景に大胆に縁取りされた超合金製みたいな銀色のぶっとい手足で、造花にしか見えない花を持った少女(?)。色のコントラストと迫力が凄かった。分厚い本を抱えているのも共感が持てる。

 呼び物のモディリアーニ。「若い女の肖像」。まだモディリアーニの代名詞である、なで肩で塗りつぶされた瞳を持つ面長の人物になっていない。ロートレックそっくりの画風。「母と子」が傑作。茶色の色調で統一された、いわゆる「聖母像」だが、とにかく暖かみを感じる。どこか不気味な雰囲気を感じさせる彼の作品の中で見る者をほっとさせる希有な作品だろう。不遇な彼の人生の中で唯一幸せの絶頂だった時期らしく、その心情が投影されているとの解説。

 その他、ルオー、ミロ、クレー、ユトリロ、カンディンスキー、ビュッフェら有名どころが目白押し。その中で多分初めて見る画家だが素朴派と呼ばれる中の一人アンドレ・ボーシャンという人の作品が面白かった。「ステュクス川」(ギリシャ神話に出てくるいわゆる三途の川みたいなものらしい)に描かれた山肌の質感。どこかで見たような印象だと思ったら、あれは爬虫類の背中だな(笑)。素朴派は無論アンリ・ルソーが一番有名。ヘタウマみたいなもんかも知れないが、その魅力は非日常感をもたらす異世界の提示だろう。

 総評として(ピカソとモディリアーニはそんなに多くないんだけど)とても楽しめた。入り口で「出品リスト」とメモ用の小さな鉛筆(ゴルフなんかで使うプラスチックの軸に芯が付いたヤツ)を貸してくれたのもうれしい。日本の美術展は(あくまで興業なので)先のとがったシャーペンとかでメモ取ってると怒られるのだ(絵を指さすだけでも怒られる)。おかげで今回はけっこう詳細なレポートが書けた。ぜひ来訪をお薦めする…ってあしたまでじゃん(爆)。もっと早く行けばよかったよ。すいません、興味持った方はフランスまで行ってください(笑)。


<付記>
 この記事を書くに当たり公式HPをチェックしていたら、音声ガイドのダウンロード購入サービスなんてのを発見。よく見かけるけど私は一度も利用したことがない。今後こうした形式も増えるかも知れないな。







 *ほんとは小林秀雄の『近代絵画』をリンク付けしようと思ったのに、もうAmazonでも扱っていないのね。時代を感じるなあ…。↓
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